万化を楽しむ!

アラサーリーマンが日々思いついた事を書き殴ります。妻も私もオタクな為、オタク関連多めです。

【話題】今話題の異物混入について書いてみる【騒然】

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すごい話題に

とあるきっかけから火を噴き、愉快犯なども現れ、少し収集がつかなくなっている異物混入騒動について、少し書いてみようかと思います。

実は私、とある製造業の工場の品質保証部で働いています。幸い食品ではないので今回の騒動ではあまり業務に影響は出ていませんが、同じ製造業として思うところは大きいです。 2013年から2014年にかけておきた「アクリフーズ農薬混入事件」は記憶に新しいと思いますが、食品とその他、という違いはあれど、どの製造の現場でも同じような事は起こりうるわけです。

業種の違いはあれど「フードディフェンス」という言葉など、勉強する機会は増えました。

今回は店舗で直接作っているような食品がメインとなっています。ですが私の勤めている工場では最終製品を作成しているため、お客さまからのお申し出で異物が混入している、というケースは実はあまり多くはありません。

食品で例えれば、コンビニ弁当などを思い浮かべてみてください。あれは直接工場より、完成された物が運ばれてくるはずです。 その点マクドナルドなどは店舗で調理していますよね。 店舗で働いているバイトの方などにも当然万全な衛生教育を実施していると思いますが、パンズに肉を挟む、なんてのを手で一つづつやってたりする店舗の方が混入経路が多く、混入しやすいと思います。

殆どの企業はかな~り真面目に異物混入対策を実施していると思います。なのできちんと教育された企業の工場などではそれなりの対策が取られていることだと思います。 そう考えると「アクリフーズ」の一件の怖さと異質さが浮き彫りになりますね。

混入はします!

ですが私の勤めている工場などでもわりと異物混入が起きています。ところがお客様からのお申し出はあまりありません。 何故か?出荷前の検査で気がつくからです。そのための品質管理、現場での衛生管理、というわけですね。

例えばプラスチックのボトルに入った洗剤を売っているとします。この場合の異物混入としてはボトルの中に洗剤以外が入っている状態です。ボトルは目視、中身の洗剤も作った時に検査があります。

そしてボトルに洗剤を入れるときなども、ボトルに洗剤を入れる機械の末端に異物をキャッチする網のようなものが付いていたりします。洗剤は液体なのでこの場合はかなり目の細かい網です。

すると固体の場合、大抵はこの網に引っ掛かります。それはその機械から剥がれた金属だったり、パーツとパーツの接続部に噛ませてあるゴムパッキンだったり、単純にゴミだったりします。

網の目は荒いものから細かいものまで色々なので通り抜けて洗剤に入ったり、混入せず、全てキャッチできたり様々です。 ですがこの段階では洗剤に異物が混入しようが問題はありません。

なぜなら出荷前であり、お客様の手元に届いていないから、です。 しかし工場内には激震が走ります。洗剤に混入している場合は使用不可能の可能性が高い。丸々不良です。丸損です。ぎゃぁ。 網にキャッチされていたとしても、それはたまたまであって、次起これば洗剤に混入して不良品を作ってしまう可能性がある。

この異物が例えば洗剤を作る原料由来だった場合などはセーフになるケースもあります。 本来入っていて問題ないものであるからです。

このように、異物混入が出荷前に起きた場合でも、当然原因追究をして対策を取らねばならないわけです。

異物が歯だの爪楊枝だの、ビニール片だの判り易ければいいのですが、点のような黒い粒とであると、自前では判らない事の方が多いです。

そんな異物達ですが、これ何か分析して、と品質保証部に持ち込まれるわけです。それなりの分析装置はあるのですが何だか良く分からない粒、レベルだと特定するのはすごく困難なのです。

金属か、非金属かぐらいならわかるんですが、それがどこの金属とか、具体的になってくるともうお手上げです。 時には外部分析機関に何十万とお金をかけて分析依頼をおこなうこともあります。 そうやってなんだかんだ特定されていったり、わからなかったりするわけです。

なのでこのように工場から完成品が出荷されている商品などは食品でも比較的異物混入が起こる可能性は低いかと思います。 ですがこのような場合でも混入を完全になくすことは難しいでしょう。

なぜなら完全にオートメーション化をすることは難しく、人の手が入る事があるからです。 人は必ずミスをします。今までミスをしたことが無い、という人はいないのでしょうか?

いたとしても製造工程では様々な人が関わっています。その人たちのミスを完全になくすことはとてもとても、難しい。

だから異物混入を無くすことは不可能だ!と開き直るつもりはありません。 企業も社員も異物混入を無くすことに、最大限の努力をしなければならないし、取り組んでいると思います。不良品は可能な限りゼロにしなければなりません。 私の勤めている会社も当然努力しています。現場の人には頭が上がりませんね。

私は指摘する側なのですが、原因追究に回る側ですので混入は大嫌いです(笑)

一連の報道などを見ていると、対応の仕方に問題があるように感じました。というかあんなに開き直ったような態度ではお客様がお怒りになるのも当たり前ですよね。

今日も今日とて異物と戦う日々

ピンチはチャンスともいえます。改善の機会になるからです。

そんな世間をしり目に今日もより良い会社にするために職場で働くわけです。

「メッシュに異物が捕獲された!」

そんな報告がこないことを祈りながら。