万化を楽しむ!

アラサーリーマンが日々思いついた事を書き殴ります。妻も私もオタクな為、オタク関連多めです。

中小化粧品メーカーから見た「資生堂ショック」

こちらの記事をたまたまはてなブックマークで見かけ、拝見させていただいた。

そして11月9日にNHKで放送された「資生堂ショック」と呼ばれるニュースが話題になっていると知りました。

その改革とは、主に育児中などで時短勤務で働く美容部員にも、遅番や土日勤務を促すもの。来店客が最も多い時間帯で経験を積ませるためで、本人のキャリアアップを目指すためにも必要だと判断した、との事です。

今までその勤務を肩代わりしていた若手やベテランの負担を軽減させると共に、来店数が多くなる時間帯や勤務日での経験を積ませる効果を見通して、だそうです。

現場の負担が減るのももちろんだが、本人のキャリアアップを目指すためにも必要だと判断したものであるらしいです。

美容部員さんというのは男性にはなじみが薄いかもしれませんが、百貨店の一階などにある、化粧品コーナーで接客を担当してる従業員さんです。 ほとんどが女性の方だと思います。

美容部員さんというお仕事と女性

さて、実は私、とある中小の化粧品メーカー勤務なのです。自社の工場で検査のような業務を担当しております。

営業部隊や店頭からは遠い位置にいるので、そんなに詳しくはないのですが、とある研修でこの美容部員さん向けの研修を担当してる社員の方と話す機会がありました。

その方の話を聞く限り、この「美容部員」というお仕事はかなりの激務である、ということでした。典型的な接客業なのですが、女性特有の世界という事もあって離職率、転職率もとても高いそうです。

なので待遇面の条件よりもその職場に合う、合わないが大きく、大手メーカーから中小、中小から大手メーカーという転職も珍しくなく、複数の会社を経験する方が多いようなのです。

私の勤め先は当然資生堂さんの売り上げには遠く及ばない会社です。お給料だけでなく、待遇もそうだと思います。平均からすると悪くはないが、良くもない、そんな会社です。

それと比較すると、この「資生堂ショック」以前の資生堂の産休制度や時短制度は業界では革新的なレベルだったのではないでしょうか?

私の勤め先でも、正社員における産休や育児休暇の制度がここ数年でやっと形になってきました。

それと比べると、資生堂では育児休暇が1990年、育児時間制度が1991年より開始されていたようです。

うちの会社は約20年遅れなわけですね…

女性を応援する制度についても化粧品業界のトップランナーとして走り続けてきたのではないかと思います。

そして今回の資生堂ショック

ネット上やツイッター上では批判的な意見も多くみられているようで、上記のように、女性の勤務体系に配慮してきた、女性に優しいという企業のイメージを損なったのかも知れません。

しかし私の勤める会社の美容職業とはそもそもの離職率が違うのではないかと思います。実際の美容食の離職率はわからないのですが、話を聞く限りではかなり高そうです。

それと比較して資生堂の美容職の離職率は2014年で4%に満たないようで、これは驚くべき数字だと思う。

そんな資生堂の今回の「ショック」の内容は、確かに労働時間の増加を強要するものかもしれないが、今後働く女性の、働いていきたい女性の新しい選択肢と挑戦になりうるのではないだろうか?

自分の会社は好きですし、資生堂さんを崇め、祭っているわけでもないのですが、一周回って革新的で挑戦的な今回の「ショック」は前向きに考えてもよいのではないかと思ったのです。

化粧品の中身の製造なんかはまさに力仕事で、殆ど男性が作ったりしています。容器に入れたり、箱に入れたりするのは男女入り乱れてなのですが、店頭で、特に百貨店などの化粧品売り場は、そのメーカーの顔ともいえる存在です。

そんな美容部員さんが安心して働ける環境とともに、そのキャリアパスの在り方を作っていけるような働き方、というのも今後化粧品業界が抱える課題 だと言えるのだと思います。

わが社が資生堂さんに追い付くのはいつごろになるのだろうなぁ。