万化を楽しむ!

アラサーリーマンが日々思いついた事を書き殴ります。妻も私もオタクな為、オタク関連多めです。

超厳選 絶対面白いおすすめライトノベルをランキング77で紹介【2018年版】

ちょっと前に見たアニメのランキングというのを作って見ました。

http://www.banka-enjoy.jp/entry/2016/04/21/113000www.banka-enjoy.jp

大変でしたけどけっこう面白くて、自分の中でのアニメの棚卸なんかもできてやってみて良かったな、と。 そして作り終わってみて、漫画とかもやってみようかと思ったんですけど、私の一番得意としているオタクジャンルって「ライトノベル」だった、という事に気が付きました。

ラノベブームもいったん収束したかのように感じますが、深夜アニメ等を見ていましてもまだまだラノベ原作のアニメも多く、その勢いはまだまだ健在だと感じます。

最近はめっきりご無沙汰ですが、それなりの数を読んでみたものです。 という事でやってみますよ、ライトノベルランキング。 数をちょっと増やしてベスト77に。

ラッキーセブンですよ。

100とかいけましたが、面白い、となると厳選せねばならんだろう、という事でこの数に。 アニメの時と同じく、シリーズではまとめるものの、同じ作者のランクインもありとします。 あとはラノベじゃねぇだろう、というのも入ってくるかもしれませんが、そこは曖昧にしておきます。

では早速いってみます。

77位 スレイヤーズ

著者:神坂一、イラスト:あらいずみるい

本編全15巻、すぺしゃる全30巻

富士見ファンタジア文庫より刊行され、ライトノベルというジャンルを一般層にまで広げた、「ライトノベルの金字塔」的作品。 発行部数は全部で2000万部をこえるとされ、ありとあらゆるメディアにメディアミックスされた。 私がライトノベルを読むようになったきっかけとなった作品。

アニメ化で爆発的な人気がでるも、それほど刊行ペースが速くなかったため、他のラノベ作品に埋もれて行って私の興味は薄れていきましたねぇ。 原作ファンの望みはただ一つ、素早い続刊の刊行のみ、と気が付かされましたわ。

それでも歴史を作ったライトノベル

76位 絶望系 閉じられた世界

著者:谷川流、イラスト:G・むにょ、全一巻

電撃文庫より2005年に刊行された、涼宮ハルヒシリーズの著者谷川流によって書かれた長編小説。 2014年に新潮文庫nextより「絶望系」とタイトルを改題して復刊。

なんというか作者の狂気を上手く表現しているというか、ハルヒシリーズの続刊の刊行がストップしてしまったのも精神的なものが影響しているのかもという未来を暗示するような作品。 近年まさかの復刊があったので、あのハルヒシリーズの作者の初期作品ということもあって、読んでおいて損の無い一冊である。

その闇をのぞきこめるだろう。

75位 とある魔術の禁書目録

著者:鎌池和馬、イラスト:灰村キヨタカ

既刊40:巻本編39巻、短編集1巻(2016年4月現在)

電撃文庫より発刊された、鎌池和馬のデビュー作。

SFやファンタジーの要素、超能力や兵器などの科学サイドと、聖書や魔術などの魔術サイドという、相反する設定の2つが混在し対立するという世界観を描いたバトルアクション作品である。 いやー、面白いですよ。5巻くらいまでは素直に楽しめると思う。

その設定力というか世界観の作り込みは凄いのですが、いかんせん話が進まないというか、ちょっと冗長が過ぎるといった感じで私はリタイア。

それでも新約版までは継続して買い集めていたので結構がんばったのではなかろうか。 セールス的にも作品としても評価はしますが、追い続けるのがしんどかったのでこの位置。

そげぶ。

74位 俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる

著者:裕時悠示、イラスト:るろお

既刊10巻(2015年12月現在)

GA文庫より発刊。

主人公の季堂鋭太とヒロインの内の一人夏川真涼と恋人関係をスタートさせるというところからはじまり、両者とも恋愛というものを嫌悪している事から、偽造カップルを装う、という展開が斬新だった。

主人公も中々男らしく、熱い展開も見られるものの、アニメ化の影響か、発刊ペース、展開共に鈍化しリタイア。 いいもの持ってると思うんですけどね。

様々なものに流されず、筋を通し切れるのかというところが気になります。

アニメ化もされており、出来は上々だったので興味がある方はぜひ。

73位 天国に涙はいらない

著者:佐藤ケイ、イラスト:さがのあおい

全12巻(11巻+終)

第7回電撃ゲーム小説大賞金賞受賞作品。

電撃文庫における萌え小説の原点とされ、ラノベ界における萌えの第一人者ともいわれる。 萌えだけでなく、ギャグ、コメディ、ハートフルストーリーなど様々なジャンルを内包しており、作品の評価はわかれる作品であるとは思う。

一応、陰陽師だとか天使とか、悪魔とかがからんでくるが、その訳のわからなさを楽しむつもりで気楽に読める、当時は珍しいラノベだった。

それでも今ならアニメ化待ったなしぐらい面白いですよ。

72位 ムシウタ

著者:岩井恭平、イラスト:るろお

全16巻(本編:全15巻 / 中編:全1巻)

角川スニーカー文庫より発刊のSF超能力バトル物。 夢を代償に強大な力を与える、昆虫に似た超常の存在「虫」の力をめぐって、多数の少年少女の視点から物語を描く群像劇として描かれる。

ハードで強烈な設定ながら、それぞれの登場人物に対しての掘り下げが深く、ハードな展開を見事描ききった。 11年という長期間にわたっての刊行となったがやっと終わり、集め続けられるだけの面白さはあったと思う。

読んで損はさせないシリーズ。

こちらも今ならアニメ化余裕なレベルだと思います。

71位 カエルと殿下と森の魔女 緑竜亭繁盛記

著者:橘柑子 、イラスト:堤利一郎、全一巻

第6回えんため大賞優秀賞受賞作。

人ならざる力を持つが旅籠兼酒場の看板娘の少女リュンと同じく人ならざる常連客が繰り広げるコミカルファンタジー小説。 一冊で完結ながら、実にすばらしい面白さで少女と人外の面々がおりなす、軽快でほんわりとした話が素晴らしい。

作者の方は他に本を出していないよようでそれが本当に残念。 なんでじゃあ。

気軽に読めるので、ぜひ手にとってもらいたい一冊。

70位 ランブルフィッシュ

著者:三雲岳斗、イラスト:久識ちまき

全10巻

日本でもあるロボコン的な競技を、二足歩行の大型ロボットで、しかもギャンブルとして行っているという、ありそうでなかった学園ロボット小説。

クセのあるキャラが揃っており、ヤンキー系の主人公が話を引っ張るが、チームで勝利を掴みとるといった王道の青春モノなので結構万人受けしそうだが知名度はあまりないと思う。 物語の作り込みとしてはどうなんだろうと思う所はあるものの、学生中心にロボット対決に真剣に取り組んでいくのは好感がもてた。

時代が今ならアニメ化待ったなしのクオリティ。

69位 俺の妹がこんなに可愛いわけがない

著者:伏見つかさ、イラスト:かんざきひろ

全12巻

言わずと知れた「おれいも」。 オタクという焦点から不仲だった兄と妹の関係を描いたコメディ作品。 血縁のある兄妹の関係を、真っ向から?描ききった?驚異の作品。

最終巻付近の内容からよくもまぁ、本が出たな、という印象。 その根性は素晴らしい。

実際妹がいる私としては到底理解できないが、妹が超絶美少女ならわかりません。

アニメも大ヒットした作品群ですね。

68位 デュアン・サーク

著者:深沢美潮、イラスト:第一部 おときたたかお、第二部 戸部淑

第一部全8巻、第二部全15巻

1996年に電撃文庫より発刊されたファンタジーノベルで、同著作者の小説「フォーチュン・クエスト」の約100年前の時代のお話。 フォーチュン・クエストの時代で勇者と称えられるデュアン・サークの物語。 スピンオフ作品ながら1巻の出版から10年以上の時間をかけて完結させたのは見事の一言。

今時珍しい純粋なファンタジー作品としても貴重な存在。

単品でも十分楽しめるが、フォーチュンクエストとあわせて読みたいシリーズ。

67位 フォーチュン・クエスト

著者:深沢美潮、イラスト:迎夏生

フォーチュン・クエスト 全8巻、新フォーチュン・クエスト 全20巻、新フォーチュン・クエストII 7巻(以下続刊)

1989年にシリーズ第1作が発売された深沢美潮のファンタジーライトノベル作品。 レーベルを変えて未だに刊行され続ける、ファンタジーの冒険ものとしてはライトノベルの原点といっていいほどの長寿作品。 作風も内容も実にゆったり、まったりしており、刊行ペースも合わせてその空気感を楽しむ作品。

話は普通に面白いが、追いかけるのは大変だと思う。

68位のデュアン・サークと合わせて楽しみたい。

66位 我が家のお稲荷さま

著者:柴村仁、イラスト:放電映像

既刊7巻

2004年に電撃文庫より刊行された第10回電撃小説大賞の金賞受賞作品。

作者のデビュー作でもある。 妙な因縁から高上家を護る事となった天狐空幻と高上家を取り巻く人たちが巻き起こす騒動を描く。 いわゆる「ドラえもん」的な作品で、基本的にほのぼのとしており、とても読みやすく、ほっこりする作品。

2008年にはアニメ化もされている。

65位 護くんに女神の祝福を

著者:岩田洋季、イラスト:佐藤利幸

本編12巻、番外編4巻

2003年に電撃文庫より刊行されたファンタジーブコメ小説。

いわゆる魔法や超能力学園もので主人公は素質がありながらも頼りなく、ヒロインが登場人物中最高クラスの能力を持つなど、どこかのアクセルワールドちっくな物語。 主人公とヒロインは相思相愛ながら、さまざまな困難を乗り越えて結ばれる王道ラブコメ

主人公の吉村護くんは天才型と努力型を併せ持ち、大変好感のもてる人物。

いまならアニメ化待ったなしだろう。

甘々のラブコメものが読みたいならぜひ。

64位 空の境界

著者:奈須きのこ、イラスト:武内崇

講談社ノベルス:全2巻 講談社文庫:全3巻

色々あったが2004年に講談社ノベルスより一般書籍として刊行された奈須きのこ著の伝奇小説。

同作家がシナリオを担当したfateシリーズや月姫と設定を同じくする物語で、オタク的にも存在感を放った作品である。 複数のメディア展開を行っており、興行的にも成功した。

が、奈須氏独特の文体と時系列が前後する構成から、純粋にエンターテイメントとして楽しめるか、という点では人を選ぶ作品だと思う。 私的には微妙でこの順位に。

ちょっぴし闇が深すぎますよ、この世界。

63位 狼と香辛料

著者:支倉凍砂、イラスト:文倉十

全17巻

第12回電撃小説第章で銀賞を獲得し、2006年に同作品でデビュー。

狼の化身である少女と青年行商人との道中を描いた、ファンタジーもので、中世ヨーロッパ的な世界での経済活動に焦点をあてた、ありそうでなかった異色作。

作品的にも面白く、高次元で萌えも融合させているレベルの高い作品。 商人の世界とか今やほとんど目にする事はないと思うので新鮮で面白いんです。

普通に面白いのだが何故か私には合わなかったためこの順位に。

アニメ化も二度されている。

62位 月と貴女に花束を

著者:志村一矢、イラスト:椎名優

本編全6巻、外伝2巻

第五回電撃ゲーム小説大賞、選考委員特別賞受賞作品。

後に文庫化された。

人狼に変身できる特殊な力を持った一族の戦いを描いた作品で、ラブコメ的な要素を含む。 実に王道であり、バトル物としてもラブコメ物としても一定の面白さで、コンパクトにもまとまっており読みやすい。

本当によくまとまっている良作。今ならアニメ化待ったなし。

手軽にバトルラブコメ物が読みたい方に普通におすすめできる良作。

61位 電波女と青春男

著者:入間人間、イラスト:ブリキ

全9巻

2009年に電撃文庫より刊行された。

SF(すこしふしぎ)な青春コメディ作品。

自称「宇宙人」で従妹の美少女藤和エリオと、主人公丹羽真との交流をボーイミーツガールな日常と共に描いている。 主人公が普通にイイ奴で、電波な従妹やクラスメイトとのラブコメもあり、独特な作風の作者の作品の中では読みやすい方であると思う。

ちょっと頑張る主人公がボーイミーツガールでハーレムでうらやましい。

アニメ化もされており、特に主題歌の「Os-宇宙人」は特筆ものの出来であると個人的には思う。

60位 僕の血を吸わないで

著者:阿智太郎、イラスト:宮須弥

1998年に電撃文庫より刊行された、第4回電撃ゲーム小説大賞銀賞受賞作品。

能天気でお人よしの主人公森写歩朗と美少女吸血鬼のジルを中心としたコメディ作品。 ヒロインを吸血鬼ハンターから守るのが主な話の展開で、敵は結構ガチでヤリに来るのだが、どこか間が抜けており、上手くコメディ調に仕立ててある辺りはお見事。

コメディながら読ませるストーリーは作者の力量が高いから。

作者の作風が全体的にコメディで最終的にハッピーエンドで終わるので安心して読める。 普通に面白いので、時代が時代ならアニメ化不可避であったであろう。

59位 冴えない彼女の育てかた

著者:丸戸史明、、イラスト:深崎暮人

既刊12巻(長編:9巻、短編:3巻)2016年現在

2012年に富士見ファンタジア文庫より刊行。

アダルトゲーム業界で数々の名作を生みだしたシナリオライター丸戸史明ライトノベルデビュー作。

その実績から大いに期待したが、ライターの作風として、さまざまな伏線を張り、話のラスト付近に一気に回収して怒涛の盛り上げを魅せる展開を得意とするため、まだその瞬間がこないようなので、この順位に。 それでも引き延ばし感満載でそろそろ我慢できねェぜ。

丸戸なら、丸戸さんならいつかやってくれると信じていますぜ。

何故かヒロインの等身大フィギュアなどが発売されている作品。

加藤恵とは (カトウメグミとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

アニメ化もされており、二期も放映予定。

58位 やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

著者:渡航、イラスト:ぽんかん⑧

既刊14巻(本編11巻、短編3巻)(2015年6月現在)

2011年よりガガガ文庫より刊行された、ひねくれた少年の高校生活を描いたラブコメもの。 2013年にアニメ化され爆発的な人気を得た。近年の「このライトノベルがすごい!」等のタイトルを独占した売れ筋作品。

主人公比企谷八幡のひねくれっぷりとダークヒーローっぷりで続きが気になる展開を連発するのものの、中盤からいっこうに進まない話にギブアップ。 この謎の引き延ばし感はなんなのか。

近年読んだラノベの中では面白かったし、今後の展開しだいでは大きく化けると思う。 完結したらもう一度読みたい。

57位 ARIEL

著者:笹本祐一、イラスト:鈴木雅久 全20巻+外伝2巻

1987年にソノラマ文庫から発刊されたSF小説。 近年ではアニメ化もされた「ミニスカ宇宙海賊」シリーズでも有名な同氏が知名度を上げたシリーズ。 ライトなキャラクターと硬派なSF設定は読みごたえ抜群。

笹本氏の原作と知らず「ミニスカ宇宙海賊」の1話を偶然見て、なんて作り込まれたSF設定かと思ったら、笹本氏だったのは良くあること。 おすすめ。

56話 ちょー美女と野獣 

著者:野梨原花南に、イラスト:宮城とおこ シリーズ計19巻

コバルト文庫より発刊された、魔法によって獣の姿に変身する王子と、獣が好きなちょっと変わった王女を中心として進むファンタジー物語、の1冊目。 題名の通り美女と野獣のオマージュ作品。

ライトなコメディ調の作風ながら、1冊で新しい美女と野獣を書ききった、隠れた良作というべき一冊。 埋もれているのがもったいないと本当に思う。

シリーズ化しており、そちらはちょっとだれるものの、1冊でも十分楽しめる内容になっているので、ぜひ読んでもらいたい一冊。

55位 アプサラス 神の逆鉾

著者:吉岡平、イラスト:上野 かおり 全3巻

1998年にソノラマ文庫から発刊された全3巻のSF小説

人類に復讐するために作りだされた新種の生物兵器との戦いと、その女王と出会った少年のゆくえを描いた作品。 今見るとありがちっぽいSF設定だが、当時は珍しく、しっかり書ききった良作。

著者さんが好きだったのだが、こんなにもストレートなSF作品が書けるのかとびっくり。 そして普通に面白くてびっくり。

これは名作ボーイミーツガールですよ。気になったらぜひ。

後に続編が出たものの、その当時流行だった美少女ゲーム風の設定を反映させており、SF+美少女というあるいみ鉄板の作品となった。 そちらもおすすめ。

54位 A君(17)の戦争

著者:豪屋大介、イラスト:玲衣 既刊:9巻

2001年に富士見ファンタジア文庫より発刊されたいわゆる「異世界転生モノ」。

現代の日本で生まれ育った何の取り柄もない少年が別の世界に召喚され、滅亡に瀕した国を救うために異種族の美少女たちを従えて活躍する、という今となっては典型的なパターンだが、戦争は多数の兵士たちからなる軍隊によっておこなわれており、兵站や戦争における経済についても頻繁に書かれる。

主人公の力も作戦指揮や国家戦略といった部分で発揮される、異世界ものの架空戦記とも読める。 今はありきたりの内容になってしまったが、その中に埋もれないレベルのパワーは持っていますよ。

誠に残念だが長らく続刊が出ておらず、言及もされていたいため、実質上の打ち切りだが、興味があったら1巻位くらい読んでみてもばちは当たらないくらいは面白い。

53位 レベリオン

著者:三雲岳斗、イラスト:椋本夏夜 全5巻

2000年に電撃文庫から発刊されたSF、学園もの。

ウイルス感染による特殊能力の発現に巻き込まれた高校生が事件に巻き込まれていくという、超能力バトル+学園物。 短い巻数ですっきり完結しており、バトルと学園物の両方をバランスよく楽しめる。

5巻とすっきりまとまって、さくっと終わっているのも逆に好感触。

現在ならアニメ化不可避のクオリティで、著者の作品を読んだことが無い方にも有る方にもおすすめできる作品。

52位 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

著者:桜庭一樹、イラスト:むー(富士見ミステリー文庫版)

後の直木賞作家桜庭一樹が2004年に富士見ファンタジア文庫から発刊された小説。 萌え系のイラストながら非常に衝撃的な内容で、発売当時から話題沸騰、一般文芸界からも注目を集めた。

出た当初から話題ではあったがまさかこんなに人気が出るとは思ってもいませんでした。

後にアニメ化もされたGOSICK -ゴシック-シリーズも同著者の作品。 一冊で読みやすいので桜庭一樹の入門書としてもおすすめできる。

51位 機動戦士ガンダムUC

著者:福井晴敏、イラスト:安彦良和(表紙キャラクター:第1巻 - 第10巻、挿絵:第1巻 - 第3巻)カトキハジメ(表紙メカニック)虎哉孝征(挿絵:第4巻 - 第11巻) 全10巻(+短編集1巻)

ガンダムエースで連載され、角川コミックスエースより発刊された、アニメーション映画作品「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」から3年後の宇宙世紀が舞台となっている作品。

機動戦士ガンダムの正史の続編がまさかの小説で展開。間違いなく面白く、OVAアニメとして展開したアニメシリーズも大成功を収めた。 モビルスーツもかっこいい。

が、しかし、福井晴敏氏の重厚で濃厚な文体は極めて読みにくく、正直活字に耐性が無い人には苦しい。 私も一巻冒頭の延々と続く説明調はけっこうきつかった。

逆にラノベ調の文体がきついという人には普通で読みやすいかもしれない。 ともかくそのクオリティの高さは説明不要の名作。

小説版の良さも当然あるので、アニメから入った方もぜひ読んでもらいたい。

50位 ザンヤルマの剣士

著者:福井晴敏、イラスト:弘司 本編9巻+外伝1巻

1992年から富士見ファンタジア文庫より発刊された伝奇SF小説。

気弱で内向的だった主人公が古代文明の遺産をめぐるさまざまな事件に巻き込まれていく。 この古代文明の遺産が個人に適合したオーダーメイド品で、それを現代の適合者に配り歩く黒服の男の存在や、その特異的な能力に溺れ、引き起こす事件に主人公がまきこまれるという、SF+笑ゥせぇるすまんっぽい作品。

超常の力を手に入れた人間の内面と葛藤を上手くラノベに落とし込んでいる良作。

主人公が「エヴァ」の主人公碇シンジっぽくって、当初の流行である世界系を意識していただろうと思わせ、その結末もちょっと似ていたが、個人的には終わり方はこっちの方が好き。

49位 半分の月がのぼる空

著者:橋本紡、イラスト:山本ケイジ 本編 6巻、短編 2巻

1997年に第4回電撃ゲーム小説大賞で金賞を受賞。デビューした著者の長編シリーズ。 ライトノベルとして漫画・ドラマCD・アニメ・実写ドラマ・実写映画の5分野で作品化されている唯一の作品。

不治の病に侵された少女と、同じ病院に入院した少年との出会いを通して日常を描く、恋愛小説。 高い完成度と綺麗なラストで名をはせた良作。 メディアミックス展開の多さからもその人気が伺える。

なぜこの順位かというと、なんとなく好きではないから。好みの問題ですね、しょうがない。

48位 とらドラ!

著者:竹宮ゆゆこ、イラスト:ヤス 本編10巻(完結)+スピンオフ3巻

2006年より電撃文庫から発刊された、恋愛や家族関係など、それぞれに悩むところのある高校生たちの学生生活を描くラブコメ小説。 アニメ化もされており、そちらも良作と名高い。

完結モノのラブコメとしてはラストも綺麗に終わっていて完成度も高いのだが、良くも悪くも登場人物の恋愛に関する考え方が飛びぬけており、理解が及ばないところがあるかもしれない。

それでも登場人物は自分の考えをしっかりと持っていて、その主張がぶつかって摩擦を起こしているという、ある意味王道の青春小説である。

この作品のアニメで釘宮さんの演技を初めてきちんと聞いたがハマり役で本当に御上手である。

ヒロイン大河の罵声は必聴(笑)

アニメからも小説からも入れるラブコメものの良作。

47位 わたしたちの田村くん

著者:竹宮ゆゆこ、イラスト:ヤス 全2巻

2005年に電撃文庫から発刊された竹宮ゆゆこのデビュー作品。電撃hp SPECIALと電撃hpに連載されたものを文庫化した作品。

主人公の少年田村雪貞が2人の少女松澤小巻と相馬広香に出会い、互いに惹かれながらも2人との関係に苦悩し、奔走する日々を描くラブコメディ作品。 2巻ながら、すっきりまとまっておりデビュー作ながらその力量の鱗片を垣間見える良作。

とらドラ!の方が有名だがそのふんわりとした雰囲気から私はこちらの方が好みであるためこの順位。

46位 いぬかみっ

著者:有沢まみず、イラスト:若月神無(本編14巻)松沢まり(番外2巻) 全14巻+外伝2巻

2005年に電撃文庫より刊行されたファンタジー、コメディ小説。アニメ化もされている。

美少女に擬人化した犬神と由緒正しい犬神使いの一族の末裔が主人公のファンタジーラブコメディ作品。 主人公川平啓太は素行不良その他もろもろで落ちこぼれ扱いだが、能力は高い、という割とありがち、返せば王道でコメディ、ラブコメにバトルとバランス良く面白い。

軽すぎず、重すぎない適度なバランスで読みやすく、登場人物が軒並みいい人なのもポイントが高い。

45位 神様のメモ帳

著者:杉井光、イラスト:岸田メル 全9巻

2007年に電撃文庫から刊行されたミステリライトノベル。アニメ化もしている。

都心を中心に普通の高校生である主人公藤島鳴海とニートで探偵であるヒロインアリスが中心になって、ドラックや暴力団といった都市的な脅威がおこす事件を解決する、「ニートティーンストーリー」。

普通と見せかけて意外とできる主人公とツンデレヒロインの組み合わせと、ミステリというより暴力組織の勢力争い的な話が中心で斬新。 岸田メルさんのイラストも美しいので興味をもたれたらぜひ読んでもらいたい一品。

44位 刀語

著者:西尾維新、イラスト:竹 全12巻

講談社BOXより2007年に発刊された大河ノベル。2007年の1月から12月まで、12ヶ月連続刊行された。 アニメも放映され、1月から12月にかけて月1で連続放映された。

刀を使わない剣士と、それぞれ1つの能力に特化した12本の「変体刀」と呼ばれる刀を持った者たちの戦いを描く。 そのコンセプトも西尾維新の魅力も詰まっているとはいえるが、流石に12カ月連続刊行は堪えたのか、デビュー作の戯言シリーズ、先に発刊されていた化物語よりも、パワーダウンしている印象を受けた。

それでも原作、アニメ共に十分楽しめる安定した面白さは流石の一言。

しかしあの結末はどうだろうか…

43位 物語シリーズ

著者:西尾維新、イラスト:VOFAN

講談社BOXより刊行された「物語」シリーズで第一弾となる「化物語」は2006年に発刊された。 2009年のアニメ化により知名度を上げ、西尾維新の代表作ともいえる爆発的なヒット作となった。

「化物語」単体の評価なら相当に上なものの、シリーズを重ねるごとに興味が薄れ、買わなくなり、この順位に。

主人公である阿良々木さんが女の子を言葉攻めにし、言葉攻めにされる作品と見れば普通に優秀(笑)

アニメ化したら絶対売れると思っていたが、こんなに売れるとは。シャフトすごい。

42位 星界の紋章

著者:森岡浩之、イラスト:赤井孝美 全3巻

1996年にハヤカワ文庫より刊行されたSF(スペースオペラ)ノベル。

ハードSF路線から、しっかりとしたSF設定を保ちつつもラノベ的要素を取り入れた本作がブレイク。貴重なスペオペノベル作品となった。 アニメ化もされており、病療等の期間もあったためペースは遅いものの、続編、短編が刊行中である。

スペースオペラというジャンルが絶滅の危機にある中登場し、本格的でありながら読みやすいのが嬉しい。

SF設定が好きな方にも、スペースオペラの入門にもおすすめの作品。

41位 紅

著者:片山憲太郎、イラスト:山本ヤマト 巻数:4巻

スーパーダッシュ文庫より2005年から刊行されたライトノベル。

超常の力をもつ世界の支配階級と関係を持った主人公が、恐ろしく厳しい修業の成果で力を得て、日常と力に対する苦悩を描いたバトル小説 同作者の別作品と共通した世界観を持つ。

大変期待していた作品なのだが、途中で刊行ペースが怪しくなり、一応話を納めるものの、発刊が停止した。 個人的にシリーズが終了せず、続きが出なくなるのは、読者として最も腹が立つ展開だと思っているので激しく落胆した。

が、なんと2014年にダッシュエックス文庫から新刊を引っ提げて復活。 今後継続して本が出るようなら嬉しい。

登場するキャラも個性的で楽しみにしていたシリーズなので順調に復活してくれる事を祈るばかりである。

40位 旋風のカガリ

著者:吉岡平、イラスト:騎羅 巻数:4巻

1996年から富士見ファンタジア文庫より刊行された和風ファンタジーノベル。

主人公は国王の息子でありながら、王位継承権が低く、腕っ節が強いという脳筋設定。 そんな中後継者を決める前に父となる大王が暗殺され、不和を抱える13人の皇子たちが、我こそはと繰り広げる後継者争いに巻き込まれていくというそんなお話。

王族の後継者争いというバトルロワイヤルものなので、波乱あり、裏切りありなのはご愛敬。 主人公が脳筋でイイ奴らばかりなので安心して読める。

やや詰め込んだ感はあるもののすっきりとまとまっており、貴重な和風ファンタジーとしてもっと注目を浴びても良いと思っている良作。

39位 描きかけのラブレター

著者:ヤマグチノボル、イラスト:松本規之 単巻

2004年に富士見ミステリー文庫より発刊された、故ヤマグチノボル氏の恋愛小説。

幼いころより寂しさを埋めるために絵を描いてきた主人公と、美少女なのに何故か主人公だけに厳しく当たる少女の純愛物語。 淡白で哀愁漂うのに、どこか甘く、切ないけれど読みやすい。

今時本当に珍しい純愛小説で、忘れていたピュアな感情を思い出させてくれること間違いなし。

高校から大学という少し年齢層が高めなのもポイント。 大学生活とかホントなつかしい。

故ヤマグチ氏の描いた単巻恋愛小説の名作。もっと沢山の人に読んでもらいたい作品。

38位 とある飛空士への追憶

著者:犬村小六、イラスト:森沢晴行 単巻

2008年にガガガ文庫より発刊された単発作品。 後にシリーズ化、漫画化、劇場アニメ化し、大幅な改変を加えた新装版が発売された。

身分違いの恋と一人の少女を守るための戦いが、空戦を通して描かれており、切なくさわやかな恋愛小説となっている。

口コミで広がり、支持を得て広くメディアミックスを展開し、続編も発売された。 が、続編は私には合わなかった。

単巻で読みやすく、広い層におすすめできる作品。

37位 All You Need Is Kill

著者:桜坂洋、イラスト:安倍吉俊 単巻

2004年にスーパーダッシュ文庫より刊行されたハードSF小説。

デビュー作であった「よくわかる現代魔法」がコメディー風のファンタジーであったのに対し、近未来世界を舞台に、時のループに捕らえられた主人公の成長と運命を描いた、いわゆるループもののハードミリタリー小説。

素晴らしいできのSF小説である事は間違いないが、2014年にトム・クルーズ主演でまさかのハリウッド映画化。日本のライトノベル作品がハリウッド映画として映像化されるのはもちろん初めてで、大きな話題を呼んだ。

映画版も面白いが、内容は結構改変されているので、小説版も手にとって読んでもらいたい。

36位 フルメタル・パニック!

著者:賀東招二、イラスト:四季童子 長編12巻(完結)、外伝2巻、短編9巻

1998年に富士見ファンタジア文庫から発刊されたSFミリタリーアクション小説。シリーズ累計の発行部数は1000万部を超える。

長編はシリアス、短編はギャグとなっており、どちらもアニメ化されている。

1巻「戦うボーイ・ミーツ・ガール」が出た時は超名作キタコレと全俺が歓喜したが、人気が出るにつれて刊行ペースが大幅に鈍化。 アニメ等の出来は大変良かったのもの、基本原作厨の俺は刊行ペースが遅い事に激オコし、熱が冷めていった。

憎愛反する感情が同居し実に複雑な作品になってしまったがその作品としての面白さは疑うところの無い名作である。

アニメも好評だったはずだが長らく新作が発表されなかったものの、2015年に作成が発表された。 さらに2017年に放映が決定。

どうせ新作アニメでもう一度波はくる、必ずくるので、未読の人は先読みしておこう。

35位 空ノ鐘の響く惑星で

著者:渡瀬草一郎、イラスト:岩崎美奈子 本編全12巻、外伝1巻

2003年から電撃文庫より刊行されたファンタジー小説。

ファンタジー世界+異世界転移ものだが主人公が転移してくるわけではなく、ヒロインその他の勢力が異世界から転移してきた事によって、物語が動き出す。

主人公は第四皇子で腕っ節と人望が高いという、どこかで紹介した小説のような内容だが、基本的に登場人物はみな、気のいい奴ばかりなので、雰囲気は良い。

皇族としての務めも、ヒロインとのイチャラブも両方高いレベルで表現した名ファンタジー小説である。

手堅くまとまった王道ファンタジーですっきり終わっているところもポイント高し。 ハッピーエンドで終わるのも嬉しいですよ。

34位 連射王

著者:川上稔 上下巻

2007年にメディアワークスより刊行された、シューティングゲーム青春小説。 川上氏の共通の世界観、「都市世界」での話でもある。

この小説のジャンルは「シューティングゲーム」であり、シューティングゲームを通して青春と恋愛を描く。

さまざまなジャンルで青春や恋愛を描いていると思うが、この小説は「シューティングゲーム」なのである。 まさに奇作。

何を言っているのかわからないかもしれないが、そんな小説なのである。

33位 円環少女

著者:長谷敏司、:深遊 全13巻

2005年に角川スニーカー文庫から発刊された魔法少女SFノベル。

異世界から訪れる犯罪魔法使いたちを相手に、戦う主人公の青年と魔法使いの少女を中心に繰り広げられるバトルを描く。 練りこまれた設定と複雑な人間関係、シリアスで重厚なストーリーと泥沼な愛憎劇などハードな展開が目白押し。

救いのない展開も多く、重く苦い雰囲気が作品全体に漂うので人を選ぶかと思うが、間違いなく良作。

32位 タイム・リープ あしたはきのう

著者:高畑京一郎 単巻

1995年にメディアワークスよりハードカバーで発売されたSF小説。

タイムパラドックスや意識内時間移動現象「タイム・リープ」という設定、緻密な理論構成により描かれた時間SFの名作。 張り巡らされた伏線が読み進めるにつれて、細かく収束していく様子は爽快の一言。 文章も無駄がなく、実に読みやすい。

青春小説としてもSF小説としても楽しめる、古き良き名作。

31位 紫色のクオリア

著者:うえお久光、イラスト:綱島志朗 全1巻

2009年に電撃文庫から刊行されてSFライトノベル。

元は短編小説として電撃MAGAZINに執筆されたものに書き下ろしの短編を2編追加して発売された。 今東西のSF小説へのオマージュが盛り込まれている、割とハードなSF小説で、さまざまな方面から絶賛された。

特にSFに造詣がなくとも面白いといえるクオリティで、単巻なので読みやすく、SF小説の入門書としてもお勧めできる、良作である。

30位 若草野球部狂想曲

著者:一色銀河、イラスト:美鈴秋 全4巻

2000年に電撃文庫より刊行された第6回電撃ゲーム小説大賞銀賞受賞作。

世にも珍しい野球を題材としたライトノベル。 現代野球をそれなりに科学的に説明していたりするものの、随所にフィクション要素が入っていたり、某球団に倒錯していたりと、嫌いな人は嫌いかもしれない。

が、そのフィクション部分を加味しても、エンタメ野球小説と見れば中々のできで私は好き。

超絶コントロールのノミの心臓を持つアンダースロー投手が速球派でトルネード投法とか意味が判らないかと思うが、面白い。

野球ものが好きな人にはぜひ読んでもらいたい一冊である。

29位 境界線上のホライゾン

著者:川上稔、イラスト:さとやす 既刊24巻 本編22巻、番外編2巻 2016年4月現在

2008年に電撃文庫より刊行中のファンタジー、SF、コメディ、学園小説。鈍器ともいわれる。

個人的に思う「世界一の設定厨」川上稔が世に送り出した、「ラノベの全てが詰まってる」と称された前作を上回るボリュームのライトノベル。その設定資料はA4で780ページに渡るという。

ファンの誰もが無理だと思っていたアニメ化を、サンライズの制作によって果たす。出来もいいよ。 間違いなくラノベ界の歴史に足跡を残す作品だが、あまりのボリュームについて行くのがつらい作品でもある。

そろそろ終末が見えてきたらしいが、前作終わりのクロニクルをはるかに凌駕するボリュームなのでそれはもう長い。

完結したら一気読みしたいと思っている。 が、家の本棚に空きがねぇぜ。どうしよう。

28位 パラサイトムーン

著者:渡瀬草一郎、イラスト:はぎやまさかげ 全6巻

2001年より電撃文庫から刊行されたSF伝奇小説。

「迷宮神群」という、本作独特の概念の影響で異能に目覚めた者達の物語、及び、迷宮神群を巡り暗躍する組織「キャラバン」の物語をテーマとしている。

特殊能力ものとしてはスケールが小さめでスポットも末端の少年少女にあったっているのだが、その少年少女の青春ものとしての側面が好きな作品。異能と向き合い、その力に翻弄されながらも抗うというある意味王道の伝奇小説ともいえる。

主人公たちの行動理念が大切な人を守る、という点に集約しており、ラブい恋愛要素が多く、だがそれがイイ。 愛を取り戻せ!

2013年に続編も刊行されています。

27位 さよならピアノソナタ

著者:杉井光、イラスト:植田亮 全5巻(本編4巻+短編集1巻)

2007年に電撃文庫から刊行された音楽評論家を父に持つ高校生桧川直巳と、音楽界から突然失踪した若き天才少女ピアニスト蛯沢真冬との出逢いから始まる、青春恋愛小説。

クラシックとロックバンドという音楽を題材に、天然タラシの主人公がヒロインを陥落する、してからの物語を描く。 結構重い内容もあるものの、ラストは非常に綺麗にまとまっており、青春、恋愛小説として素晴らしい完成度である。

ツンデレヒロインを含め皆主人公の事が大好きであるハーレムながら、主人公がイイ奴なので許せる。

短編も含めて5巻完結というのもちょうどよい長さ。

26位 高機動幻想ガンパレード・マーチ

著:広崎悠意(1巻)、榊涼介(2巻以降)、イラスト:きむらじゅんこ 全45巻

2000年に電撃ゲーム文庫より発刊された、同名ゲームのノベライズ小説。2巻以降の著者の名前をとった通称「榊ガンパレ」。

自由度の高さと奥深いストーリーで、宣伝費0ながら口コミでブレイクしたゲームのノベライズ。 だがしかしゲームに収まらない膨大な設定を活かして、原作完結以降の話もオリジナルで展開。

1巻発売から15年、計45冊にもなる異例の超長編ゲーム小説となった。 これ普通に面白いから恐ろしい。

オタク史に名を残す作品なので、触れておいてもらいたい作品群のうちのひとつ。

25位 ミュートスノート戦記

著者:麻生俊平、イラスト:七瀬葵 全5巻

1998年に富士見ファンタジア文庫より発刊された、現代を舞台としたSFバトル小説。

いわゆる「仮面ライダー」的な他の生物の情報を取り込んで変身し、敵と戦うというやつ。 今なら「テラフォーマーズ」が近いか。

偶然事件に巻き込まれ、改造人間になってしまった高校生の主人公と、その改造人間を作り出す科学力を持った「人間兵器商会ZAMZA」との戦いを描く。

個人的には大好きだったが、敵が全世界規模なのに対し、主人公サイドは普通の高校生の範疇であるため、だんだんと苦しくなってきて、いったん区切りがついたところで、「俺たちの戦いはこれからだED」を迎え、続きも出なかった。

あまり仮面ライダー的なラノベも少ないし、短めなので気が向いたら読んでもらいたい。

24位 ヴィークルエンド

著者:うえお久光、イラスト:redjuice 単巻

2010年に電撃文庫より発刊されたSFライトノベル。

全ての子供が共感覚障害と感情の制御が出来なくなる障害を抱えた未来に、自らの身体を乗り物だと知覚させる薬品を用いて行われるスポーツとそれに関わる人々を描いた青春小説。

単巻ながら、設定も見事、キャラも見事、ストーリーも見事と、青春小説としての側面が強いものの「紫色のクオリア」に続いて見事なSF小説を書き上げた。

主人公の才能を努力で凌駕したい、という思いと、もう一つの行動理念が明かされる瞬間はまさに必読。

すっげぇ続編が読みたい小説だが、著者はこれ以降本が出ておらす、個人的にも好きな作家なので何とか復活してほしい。

23位 「ドラゴンファーム」シリーズ

著者:久美沙織 全3巻(ハヤカワ文庫版)

2001年にハヤカワ文庫より発刊された児童向け小説。

いわゆる牧場ものであり、現在のサラブレッドの生産を竜に置き換えたイメージ。 牧場での生活や飼育の様子を詳細に描いていると同時にファンタジー要素も多分に含み、児童向けながら大人でも純粋に楽しめるようになっている。

どこか憎めない登場人物と動物とのふれあい、そして竜というファンタジーな生き物の魅力を十分に感じる事ができる清涼感のある作品。 隠れた名作だと思っているので、だまされたと思ってぜひ読んでいただきたい。

22位 ハーツ ひとつだけうそがある

著者:松井 千尋、イラスト:蜜村 ハル 単巻

2001年にコバルト文庫より発刊された青春恋愛小説。

当時荒削りなものの中々良いな、と思っていた著者の3冊目の作品で、比較的現実的な現代を描いた作品。 ラストは両論賛否かなぁ、とは思うものの、私的には相当大好きな恋愛小説。

当時売れていた「某世界の中心でうんたら」より何倍も良いと思った。 今後が非常に楽しみな作家さんだったが、わずか4冊で表舞台から姿を消してしまった。

今も家の本棚にあります。

21位 ウィザーズ・ブレイン

著者:三枝零一、イラスト:純珪一 既刊17巻(2016年4月現在)

2001年に電撃文庫より発刊された、第7回電撃ゲーム小説大賞銀賞受賞作品。

人口問題に起因する戦争の結果、極寒の冬に閉ざされた22世紀の地球を舞台に、情報制御理論によって「魔法」を使えるようになった世界の各品を、複数の主人公の視点を通じて描いている。

非常に重厚で濃密なストーリーで多数の視点から物語が進行するため、明確な「悪」が存在せず、主義主張やそれぞれの立場から物語が進んでいく。

大変面白いが、遅筆なため追いかけるのが大変。もう1巻が出てから15年もたつわ。 続きはするものの、1巻の面白さと美しさは確かなもの。

しかし続きが出るころには前の話を忘れているという。 なので一気読みに向いているのではなかろうか。

とりあえず1巻だけ読んでいただければ、その面白さを判っていただけるはず。

20位 電詞都市DT

著者:川上稔、イラスト:さとやす 全2巻(上下)

2002年に電撃文庫より発刊された、著者の「都市シリーズ」作品。

「都市シリーズ」では現在一般販売された最後の作品。 元々設定も文章もクセが強かったが、ここから急に読みやすくなり(当社比)、話も恋愛要素が強めで普通に面白かった。

主人公が脳筋でオープンスケベ。 ながらヒロイン一筋でかっこいい。

上下巻という適度な長さで、川上小説の入門にピッタリ。 長編シリーズに手を出しにくいという方におすすめの一冊。

19位 シフト-世界はクリアを待っている-

著者:うえお久光、イラスト:STS 既刊3巻(文庫版)

2005年にメディアワークスで単行本として発刊された後、電撃文庫で加筆を加え3巻まで刊行されたファンタジー小説。

いわゆる「異世界転生」ものと「VRMMORPG」ものを足したような作品であり、主人公たちは眠ると別世界に魂が転移してしまう。 さらに最近ありがちな、主人公は別世界ではモンスターになってしまうものであるが、その「モンスター」という存在に与えている設定の描き方が壮絶すぎるため、他の転生モノとは一線を画す面白さ。

本当に面白く続きが気になる展開が続くものの、この小説の最大の難点は最新刊の3巻が2008年に発売されて以来、続刊が出ていない事。 主人公サイドがモンスターという立ち位置のため、ダークヒーロー的な面白さがある。

著者が2010年以降に本作を含めて本を出していないため、続きは絶望的だが、それでも読んでもらいたい作品。

待っている古参のラノベファンも多いと思うんですけどねぇ。

18位 悪魔のミカタ

著者:うえお久光、イラスト:藤田香 既刊13+6巻

2002年に電撃文庫より発刊された、第8回電撃ゲーム小説大賞受賞作品。

悪魔と呼ばれる少女と出会った事から、とある事件に巻き込まれ、その事件で死亡してしまった恋人を生き返らせるために「悪魔のミカタ」となった主人公とその仲間たちを描く、現代SFミステリー小説。

当初はミステリ色が強かったものの、どんどんとSF的展開が強くなっていき、使用者の絵がいをかなえる代わりに魂を奪う、「知恵の実」とそれをめぐる争いにシフトしていく。

「笑うセールスマン」+現代青春ものが実にうまく合わさり、作者の力量もあってか凄く面白いのだが、著者の他作品と同様に、未完のまま続刊が出ていないのが最大の欠点。

いや、本当に面白いんですよ。ボクシングにも詳しくなれたし。 なんとか続刊出ないかしら。

17位 涼宮ハルヒの憂鬱

著者:谷川流、イラスト:いとうのいぢ 既刊11巻(2016年4月)

2003年に角川スニーカー文庫より刊行された第8回スニーカー大賞<大賞>受賞作品。 言わずと知れた、オタク界どころか一般までも巻き込み一大ムーブメントを作り上げた、「ハルヒシリーズ」の一作目。

この「憂鬱」が出たときは「すげぇ面白い作品がきやがった…」と思ったものだが、刊行ペースがクソになり、紆余曲折を経て、発刊が途絶える、という私の最も嫌いなパターンにはまった。

この順位は「憂鬱」単体の評価だと思ってもらえれば。

誠に遺憾ながら全巻初版で持っており、次アニメ化等があればまとめて高値でうっぱらおうと思っている次第。

16位 電波的な彼女

著者:片山憲太郎、イラスト:山本ヤマト 既刊3巻

2004年にスーパーダッシュ文庫より刊行された、第3回スーパーダッシュ小説新人賞佳作受賞作品。

不良少年の高校生柔沢ジュウと、ジュウを「主」と崇め、前世からの絆を信じ一方的に忠誠を誓う少女堕花雨が、人間の暗部が引き起こした事件に立ち向かう。著者の別作品「紅」と世界観を共有しており、ジャンプスクエアでの漫画化、アニメ化もした「紅」の方が知名度は上だが、私はこちらの作品の方が好き。

ツンデレな不良とどこか電波な少女たちが猟奇的な事件に挑むアットホームな物語?

途中から著者の刊行ペースが不安定になり、長らく作品自体が出ていなかったものの、2014年にまさかの「紅」新刊が発売されるも、その後沈黙を保っている。

もう十年以上も待っているんでお願いします、紅じゃなくて、こちらの続編を!ぜひ!

15位 星虫

著者:岩本隆雄、イラスト:鈴木雅久(ソノラマ文庫版) 単巻

1990年に新潮文庫より発刊されその後絶版、2000年に大幅な加筆と共にソノラマ文庫より刊行されたSF小説。 私が読んだのはソノラマ文庫版。

少年少女と星虫の七日間を描いたSFファンタジーで、そのSF小説としての完成度の高さから絶賛された。 ボーイミーツガールとしてもSF小説としても素晴らしい完成度で、その爽快感と希望に満ちた結末は素晴らしいの一言。

今話題の新海誠監督とかに映画化してもらえれば大ヒットとか余裕だろうと思う。

ライトノベルやSF作品が好きな方はぜひ一度読んでもらいたいSF小説の金字塔。

14位 COOLDOWN

著者:伊達将範、イラスト:緒方 剛志 単巻

1999年に電撃文庫より発刊された伝奇アクション小説。

アナーキーな高校生、氷室克樹と陰のある美少女、香月紗夜が遭遇した事件は学校丸々を巻き込んだ集団誘拐事件と現代に生きる吸血鬼だった。勢いに頼りすぎている面はあるものの、息もつかせぬアクションで切り抜けていく、ひたすら熱いアクション小説。

古き良き吸血鬼を題材に、現代に適合した吸血鬼と生身の主人公とのバトルは興奮の一言。 美少女とのほんのりとした恋愛要素も楽しめる、正統派アクション小説といえよう。

古臭いんだけれど、それがいい。むせる。

1巻と短いものの、怒涛の勢いで押し切るこの小説は頭をからっぽにして楽しめる良作。

13位 DADDYFACE

著者:伊達将範、イラスト:西E田 既刊7巻

2000年より電撃文庫より発刊されたSF、伝奇、ラブコメ小説。

孤児院育ちの貧乏大学生草刈鷲士の元に、実の娘を自称する美少女が現れた事によって事件に巻き込まれ、世界一のトレジャーハンター「ダーティフェイス」になるまでを描く物語。

歳の差8歳の大金持ちの娘に、蝦夷に伝わる妖拳法九頭竜を使い生身ながら素手で戦車を破壊する主人公と、はちゃめちゃながら読ませるストーリーで今ならアニメ化不可避の良作。

オーオパーツとか神話とか伝承とかそんなキーワードにびびっときたら読むべし。

あらすじだけ見るとなんともオタク臭い作品だが、その本質は練り込まれた物語とバトル描写の上手さ。

主人公は蝦夷に伝わる妖拳法九頭竜で「竹取の鬼」、「人魚」、「機械人間」、「ワーウルフ」等々と素手で激戦を繰り広げる。

既存7巻でラストのあとがきで続きが示唆されたものの、未だ続刊出ず、事実上の打ち切り状態なのが最大の難点。

もう一度日が当らないかなぁ、と待ち続ける毎日です。

12位 リムーブカース

著者:伊達 将範、イラスト:しろー 大野 上下巻

1999年に電撃文庫より発刊されたアクションSF伝奇恋愛ストーリー。

極々平凡な女子高生柊夏菜の前に、謎の青年が姿を現した事から、物語が動き出す。 転生、天使、オーパーツ、神、呪いといった厨二要素満載ながら上下2巻で実に綺麗にまとまっている傑作。

さらに恋愛ものとしても素晴らしい完成度で、くっさい純愛ものとしても非常に楽しめる一品である。

ヒロイン(男)はひたすら転生を繰り返し、惚れた女を追いかけているという、スケールの大きい恋愛小説ともとれる。

ああもうアニメ化してくんねぇかなぁ。

11位 猫の地球儀

著者:秋山瑞人、イラスト:椎名優 全2巻

2000年に電撃文庫より発刊されたSFファンタジー小説。鬼才秋山瑞人初のオリジナル作品。

遠い未来の世界、滅びた人間に代わり、宇宙で暮らす知性をもった猫たちの中で、禁忌と呼ばれている「地球行き」を目指す猫の物語。 第32回星雲賞日本長編部門で最終候補作品にもなった作品で、猫とロボットを主人公に据え、ハードなSF作品として人気を得た。

二人の天才がそれぞれの目標の為に衝突し、友情を深め、天才過ぎるがゆえに周囲をも巻き込み、進化するということを求め、探求するという宿命を見事に描ききっている。

グレンラガンに通ずるものがあるかなぁ、と。

いまだに2chの面白いラノベスレなどに名前は上がりますし、今までで一番面白かった作品と上げる人もいるレベルの作品。

短く読みやすいので未読の方はぜひ、一度。

10位 AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜

著者:田中ロミオ、イラスト:mebae 全1巻

2008年にガガガ文庫より発刊されたライトノベル。

エロゲー界で名をはせたシナリオライター田中ロミオの一般向け作品で、高校デビューに成功した元重度のオタクである主人公が、夜の校舎で青いローブと、金属製の杖を持った美少女と出会ったことにより、平穏を望んでいた学校生活は一変し、一度は捨てた「オタク」と「一般人」との争いに巻き込まれていく。

18禁作品のライターから一般作品への転向や、「オタクを捨てた元オタク」ものなど、後発作品や業界にも大きな影響を与えた作品。

本質は社会の中の異端、オタクの立ち位置、あり方を描いており、オタクの方々にとっては複雑な作品であると思う。

単巻ながら実にうまくまとまっており、めっちゃ面白い。

劇場アニメ化もされて、舞台挨拶も行った。 紆余曲折あって私は、監督、構成、キャラクター原案の3人のサインを持ってる。

9位 フロントミッション 最前線報告

著者:飯野 文彦、イラスト:天野 喜孝、横山 宏 単巻

1995年にログアウト冒険文庫より発刊された同名のゲームのノベライズ小説。

原作とは異なった展開も多く、正直原作好きの評価は芳しくないと思われるが、ハフマン島という架空の島で繰り広げられる二大国家間の地域紛争と、心に傷を負った戦争屋たちの苦しみや悲しみ、戦争の悲劇を熱く、男臭く描いている。

原作はロボットを中心としたシュミレーションRPGだったが、この作品のストーリーも素晴らしいという事を文字で表現した偉大な作品だと勝手に思っています。

原作とは異なった展開もあるので原作ファンには微妙かもしれない。

こんな作品を9位に持ってくるのは自分くらいだと思うが、入れざるを得ないほど好き。 原作を知らなくとも、戦場の噴煙と男臭さが好きな方はぜひ読んでもらいたい作品。

むせる…むせるよ!

8位 E.G.コンバット

著者:秋山瑞人、イラスト:☆よしみる 巻数 既刊3巻(全4巻予定)

1999年に電撃文庫より発刊された秋山瑞人の商業デビュー作品。

宇宙から飛来した未知の生物と戦う近未来で、元救世軍のエースで歴戦の英雄だった主人公、ルノア・キササゲが左遷され、月の訓練校の教官として劣等性ばかりの舞台を任されるところから始まる。

文章で響かせる独特の文体が物語に華を、瑞々しさを、そして一種の畏怖すらも覚える。 これがデビュー作というのだから恐れ入る。

最大にして最高の欠点は未完であり、2001年6月10日に発売予定だった最終巻は2016年4月の時点で未発売。 ファンは続編が出ない、出ないという話題を延々と10年以上繰り返している。

物語の中心となる謎も大々的に残っており、まさに最終局面がまるまる未完。

なんとかなりませんかねぇ、電撃文庫さん。

7位 Fate/Zero

著者:虚淵玄、イラスト:武内崇 全4巻、全6巻(文庫版)

2006年にTYPE-MOON BOOKSより刊行された、TYPE-MOONの奈須きのこがシナリオを執筆した「Fate/stay night」を本編とするスピンオフ作品。

本編では10年前のできごととして断片的に語られていた「第四次聖杯戦争」の詳細を、本編の登場人物たちの1世代前の人々を中心に描く前日譚。奈須きのことFateシリーズが偉大な作品であることは疑いの余地はないが、奈須氏の独特な文体は好き嫌いが分かれると思う。

私も本編は面白いとは思うものの、奈須氏の文章があまり合わず、「stay night」はプレイしたものの、発表当時から神作品と話題であった「Zero」は華麗にスルーしていた。

虚淵氏の作品も、そこまで好きなものがなかったため、そこまでか?と信じていなかった。

しかしアニメ化と文庫化したのもあって、軽い気持ちで手にとって読んでみると、その面白さに全俺が感動。 虚淵さん、今まで信じてなくってごめんなさいと、焼き土下座上等の高速手のひら返しをキメるに至った。

今更私が語るまでもない名作。アニメもよし、原作もよしの名作。 あえて欠点をあげれば、本編の「Fate/stay night」と周辺作品に触れていないとその魅力を100%味わえない点か。

どのマスターとサーヴァントのコンビも魅力だが私の一押しは「キャスターペア」。 仲良しに見えて噛みあっていない。龍ちゃんマジ龍ちゃん。

「沙耶の歌」とかいう作品書いてしまうぐらいだから、キャスターペアの行いや言い分はぶっちー先生の本音もいくらかまじってるんだろうな、と思う。

6位 銀河英雄伝説

著者:田中芳樹

トクマ・ノベルズ:本編10巻+外伝4巻、カバーイラスト:加藤直之(全巻)、本文挿絵:加藤直之(1 - 5巻)、鴨下幸久(6 - 10巻) 愛蔵版:本編5巻+外伝2巻 徳間文庫:本編10巻+外伝1巻 徳間デュアル文庫:本編20巻+外伝9巻、イラスト:道原かつみ 創元SF文庫:本編10巻+外伝5巻、イラスト:星野之宣

1982年にトクマ・ノベルズより最初の書籍として刊行されたスペースオペラ。 近年だと漫画化とアニメ化より話題になった「アルスラーン戦記」の著者作品。

銀河系を舞台に、数多くの英雄たちによる攻防と権謀術数を、ふたりの主人公ラインハルト・フォン・ローエングラムとヤン・ウェンリーを軸に描くいたスペースオペラの金字塔。

1980年代から2009年現在までに複数の版で刊行され、その記録を伸ばし続けているモンスター作品。 書籍だけで5つの版が刊行されており、アニメ化、ゲーム化、漫画化、パチンコ化、挙句宝塚で演劇化までされており、2016年の現在も「週刊ヤングジャンプ」にて藤崎竜の作画で漫画が連載中である。

さらに2017年からProduction I.G制作による「新アニメプロジェクト」の始動が予定されている。

今更私如きが言うまでもないが、名作中の名作なので2017年に再度アニメ化も決まっていることだし、今手にとって読んでもらいたい作品。

5位 ドラゴンクエストV 天空の花嫁

著者:久美沙織、イラスト:いのまたむつみ、椎名咲月(新書版) 全3巻

1996年にエニックスより刊行された、同名ゲームのノベライズ小説。

ドラゴンクエストは実はⅦまで小説化されているのをご存じだろうか? 元々ドラクエシリーズでも名作と名高いⅤをオリジナル展開を交えつつも描き切った。

主人公を中心にゲームでは主張し過ぎないキャラクターを見事に味付けし、その波乱万丈ともいえる物語を美し文章とともに小説として再現。ゲームをプレイ済みの方も、未プレイの方も、必読の完成度である。

王族ながら奴隷に身を落とし、それでも美しく、誇り高く生きる主人公の物語を体験してほしい。 著者の良いところと原作の良いところががっちりかみ合った名作。

あなたは「天空の花嫁」というサブタイトルが何を指しているかご存じであろうか。 ぜひ小説版を読んで知ってもらいたい。

4位 MOTHER―The Original Story

著者:久美沙織 単巻

1989年初出の同名ゲームのノベライズ小説。

任天堂のゲームシリーズ「MOTHER」のノベライズであるが、ゲーム完成前のROMのプレイと初期設定資料集を元に書かれているとの事もあり、オリジナル設定を多分に含む内容となっている。

なので原作の雰囲気とそぐわない点も多く、正直合う、合わないが激しい小説もともいえる。 原作の主人公でなく、女の子の「アナ」の視点で描かれているのもポイント。

しかし久美氏独自の解釈を加えることによって明かされる原作の内容や、より少年少女たちの冒険譚として強調された物語は、まだ若すぎる三人の戦士達の愛と勇気と友情、それを適切な形でもっとも心に響くように描かれている。

本当におもしろくて泣ける、最高のノベライズ。

3位 宇宙一の無責任男シリーズ

著者:吉岡平

富士見ファンタジア文庫より 宇宙一の無責任男:全9巻、外伝6巻、イラスト:都築和彦 無責任キッズ:全5巻、イラスト:平田智浩 無責任カルテット:全5巻、イラスト:平田智浩 無責任三国志:全10巻、イラスト:平田智浩

ファミ通文庫より 無責任黙示録:全5巻(改訂版5巻2001年3月)、イラスト:吉崎観音 無責任三銃士:全2巻、イラスト:吉崎観音 真・無責任艦長タイラー:全6巻、外伝2巻、イラスト:吉崎観音、藤本秀明、森小太郎 無責任提督タイラー:全4巻、イラスト:吉崎観音、藤本秀明 真・無責任艦長タイラーReMix:単巻、イラスト:吉崎観音、藤本秀明

朝日ノベルズ 無責任艦長タイラースーパー・デラックス版:既刊2巻、イラスト:都築和彦

1989年に富士見ファンタジア文庫よりシリーズ一作目「無責任艦長タイラー」が刊行されて以来、長きにわたり世界観を広げ続けていったスペースオペラ小説。

主人公のジャスティ・ウエキ・タイラーはお調子者で強運と山勘、おべんちゃらの上手さだけの存在だったが「楽がしたい」という理由で宇宙軍に二等兵として志願入隊する。そこから戦争屋としての才能が開花し、強運と智謀を兼ね備えた絶対的な存在に。

ほぼ世界を掌握したと言っていい存在になるが、若くして一線を引き、寿命である130歳まで世界に影響を与え続けた。 正史は本人→娘→孫→クローンと時代を重ねる他、外伝、アニメ化の影響を受けた新約版など、多数の派生作品を生んだ。

「艦長」というカテゴリーで全てのオタク作品群の中で最強の存在であると思っている。

それぞれの作品、時代を背景を活かした「タイラーワールド」の面白さは他の作品では味わえない、まさに大作である。

時代がもう少し追いついていれば、アニメ化不可避だったのに…!

2位 イリヤの空、UFOの夏

著者:秋山瑞人、イラスト:駒都えーじ 全4巻

2001年に電撃文庫から発刊されたSF青春ラブストーリー。

このブログでも別の記事で取り上げたイリヤ。

http://www.banka-enjoy.jp/entry/2016/03/16/174827www.banka-enjoy.jp

少年少女のひと夏の出会いと恋と別れのお話。 根強い人気で、漫画化、OVAアニメ化、ゲーム化とメディアミックスも盛んに行われた。

今後これを超えるラブストーリーは出ないだろうと思っている作品。 特にイリヤの告白シーンは全てのフィクション作品の中で最高の告白シーンだと思う。

あの告白の聞いた時点で、作中の主人公と同じ行動をとりたくなる事間違いなし。 今までの全てがこのシーンに集約しているといってもいいくらい、美しく衝撃的なシーンである。

ぜひ、ぜひ手にとってもらいたい名作。

あ、あと再アニメ化とかワンチャンないっすかね。

1位 終わりのクロニクル

著者:川上稔、イラスト:さとやす 全14巻

2003年に電撃文庫より発刊された、著者による架空の世界観「都市世界」における「AHEAD」時代を取り扱った作品。

こちらも別記事に詳細を書きました。

http://www.banka-enjoy.jp/entry/2016/03/18/181245www.banka-enjoy.jp

「世界一の設定厨」川上稔氏が世に送り出した初めての長編シリーズ。その練りに練られた設定と、親子孫三代にわたるストーリーと多数の登場人物が織りなす重厚な物語は他の追随を許さない。

それぞれの本も分厚く、最終巻は1000ページを超えて当時の電撃文庫最厚記録を作った。

燃えあり、萌えあり、バトルあり、笑いあり、恋愛ありと「ラノベの全ての要素が詰まっている」とも称される。

とにかく練られたストーリーで世界観とのマッチもお見事。 そしてその中で魅力的なキャラクターたちがこれでもかと躍動する名作である。

なんだかんだハッピーエンドで終わり、時間軸上未来に当たる作品「境界線上のホライゾン」にも繋がるラストを魅せる。

長く、読みやすいとは言えない文章のため人は選ぶものの、ハマれば確実にあなたを素晴らしい世界へと連れて行ってくれること間違いなし。

ラノベ読みならばとりあえず一度チャレンジしてもらいたい大作である。

終わりに

いや~、ベスト77終わりました。もう完全に個人の趣味丸出しのランキングになってしまいました。

しかも最近の作品全然入ってないし、アラサーランキング丸出しですね、しょうがない。 でも、懐古と言われようと面白いものは面白い。

少しでも何かの参考になればと思います。

しかしこうやってみると完結している作品も多くランクインしています。 中には絶望的な作品もありますが、なんとか続きが出ることを期待してしまうのはファンならばしかたありませんね。

皆さんの良いラノベライフを祈って、結びとさせていただきましょう。

ライトノベルを読むなら電子書籍がお得

完全に普及したといっていい電子書籍ですが、ライトノベル各種ももちろん電子書籍で販売されています。 本読みならば紙媒体が一番良いのですが、どうしても場所を取りますし、もち運びにも向きません。

今の電子書籍はパソコンだけでなく、タブレットやスマホでも読むことが可能ですし、何より100冊以上の本を一つの媒体で、気軽に持ち運べる利便性は、紙媒体にはないものです。

また読みたくなったらす直ぐに購入できるのも良いところですよね。 さらに定期的にセールでお得に購入することも可能です。

大手ではamazonのKindleが有名ですが、その他にも沢山購入できるところはあります。

それぞれ得意な分野や、セール対象品が異なるので有効に活用してみてください。