どうしてこうなった? アニメ「テラフォーマーズ リベンジ」感想
約3ヵ月、アニメでいうと1クール分間が空いてしまいましたが、2016年4月から7月まで放映していたアニメ「テラフォーマーズ リベンジ」の感想を書いてみたいと思います。
この「テラフォーマーズ リベンジ」は現在週刊ヤングジャンプで連載中の漫画が原作となっています。
火星のテラフォーミング用に放たれたゴキブリが、ヒト型に進化した「テラフォーマー」と呼ばれる怪物と、それを駆除するために特殊な手術を施された人間との戦いを描いたSF漫画です。
アニメタイトルにある「リベンジ」は2期という意味合いもあり、TVアニメシリーズの2期目となります。
TVシリーズ1期目は2014年9月から1クールで放映されたようなのですが、当時はまだ原作漫画を読んでおらず、その面白さを理解していなかった私は華麗にスルーしていたのでした。
そして去年何気なく行った漫画喫茶で読み、その面白さに驚愕し、大人買いで購入。 今では定期購入する大好きな漫画シリーズになりました。
そのテラフォーマーズが再度アニメ化?それは見るしかねェ…
気合いを入れてTVに向かった私を待ち受けていたのは何とも言えない第1話なのでした。
ちなみにほぼ同時期の2016年4月29日より実写映画の方も公開されております。
原作の大ファンである私は当然見に行きました。嫌がる妻を連れて。
その感想もブログ記事にしておりますので良かったらこちらも読んでみてください。
http://www.banka-enjoy.jp/entry/2016/05/01/070000www.banka-enjoy.jp
あと「テラフォーマー」は元はゴキブリですのでGが苦手な方はこの記事は読まない方が良いかと思います。
テラフォーマーズの画像を引用しています。
圧倒的緊張感の無さ
テラフォーマーズという作品を簡単に説明すると「火星でゴキブリと戦う」作品です。 原作は新章に突入し、また違った展開を見せていますが、既刊の大部分の内容は火星でゴキと戦っています。
超進化したゴキブリ。
グロ注意
人間大の大きさのゴキブリは普通の人間では相手にならない位の力を持っており、さらにその繁殖能力から圧倒的な物量で主人公たちの前に立ちはだかってきます。
主人公たちは様々な動植物のDNA配列を取り込み、その力を使ってテラフォーマーに立ち向かっていきます。
第二巻以降の主人公膝丸 燈の手術ベースはオオミノガ。
他の生物の力を人間が使用する事によってテラフォーマーと激戦を繰り広げる訳なのですが、それでもゴキブリは強いんです。
火星で戦うにあたって、戦闘要員だけでないく、技術的にサポートを行う人材もいるため、戦闘能力に差があるのですが、ヒロインオーラ全開のキャラ、バリバリ戦闘向けのキャラ、支援向けのキャラ、とわず、テラフォーマーズにやられます。
それはもう次のコマでやられちゃうくらいあっさりと。
やられる。
美人とか女性とか関係無し。
圧倒的力をもつゴキブリと、いつやられるかもわからない緊張感のあるバトル、それがこのテラフォーマーズの魅力でもあります。
しかしこの「リベンジ」ではその緊張感がイマイチ感じられません。
アニメ1期が割と中途半端な場面で終わっており、その続きから始まるので1話からテラフォーマーとの戦いが描かれます。
人間も人ならざる力をもっているはずなのですが、なんかもっさりとしていて迫力がありません。
作画も少しデフォルトで可愛い感じになっています。
確かに基本は素手で武器を使用しても刀程度で言われて見れば地味なのかもしれません。
しかしいつテラフォーマーにやられるか判らない緊張感のあるバトルは上手く再現されていませんでした。
これはマイナスポイントですよ。
テンポも悪し
次に全体的な進行についてもテンポの悪さが目立ちます。
戦闘シーンでもそれ以外のシーンでもいまいちテンポが悪く見ていて飽きてきます。
緊張感があるバトルシーンと、それ以外の仲間との交流もテラフォーマーズの魅力ですが、「リベンジ」ではギャグ描写や萌え描写が原作よりも強調されており、それがさらにテンポの悪さ、緊張感の無さを強調してきます。
別に悪いって訳ではないのですが、見せ方がちょっと…
ヒロイン勢も魅力的ですが、そこを見たいわけじゃないんですよね。
ヒロイン筆頭のミッシェルさん。
圧倒的ヒロイン力。
つよい!(確信
また魅力的な登場人物が多数登場するのもこの作品の魅力。
他作品ならモブ扱いのキャラにも出番が用意されている事が多く、深く掘り下げるような描写もあります。 要は過去の話や回想が多いんですよね。
これは原作もそうなのですが、漫画という自分のペースで読める媒体だとあまり気になりませんでしたが、アニメでこの回想が多用されると割とダレます。
これがまたテンポを損なうんですよね。
回想を多く使い、それがメリットになっている作品も多いとは思いますが、このテラフォーマーズリベンジではデメリットに働いている気がしますね。
それでも面白い
まぁ欠点ばかり書きましたが、それでも最後まで見続ける事ができました。
何故なら原作は名作で、その原作に謎ってアニメ化しているからです。
普通に名場面は良かったですよ。
このテラフォーマーズ、ゴキブリとのバトルも目玉ですが、人外の力を得るバグズ手術やM.O.手術の利権をめぐる人間同士の争いも注目すべき点です。
火星に送り込まれた彼らは地球の各勢力の代理戦争を行っているともとれるんですよね。
なので人同士の戦いも描かれます。
後半に紋華青龍蝦(モンハナシャコ)を手術ベースとした鬼塚慶次を中心として、技術班と合同で味方の宇宙船に侵入するシーンがあります。
ここは原作でも屈指の名場面で、様々な人達が沢山の思いをもって火星へと向かい、思いを託すシーンが描かれます。
この辺り、アニメで見ても良かった。
作中屈指の男の中の男、鬼塚慶次。
技術班も頑張る。
しかし、この場面も原作を読み返すと、原作の方がもっと良いんです(笑う)
リベンジでは結構オミットされている台詞や描写があって、アニメでは「ああ、良かった」というシーンを原作で見ると「やべぇ、凄くイイ!!」くらいに跳ね上がります。
う~ん、この事実に気がついてしまった俺は天才か、と思いましたが、なに、原作が面白すぎたのがいけなかっただけでした。
気合いの入っているOP、ED
OPの楽曲はなんと1クールアニメにも関わらず、2曲。
どちらも聖飢魔IIが歌っており、その内容とも相まって高クオリティに仕上がっています。
テラフォーマーズ リベンジ OP FULL荒涼たる新世界 Terra Formars Revenge
その2パターンあるOPなのですが、人類バージョンとテラフォーマーズバージョンに分かれており、人類側が有利か、テラフォーマーズ側が有利かで流れるパターンが変わるという気合いの入りっぷり。
Terra Formars Revenge Op 2 テラフォーマーズ リベンジ Op 2
テラフォーマーズバージョンとかゴキブリ過ぎて笑います。
EDも3パターン、3曲が用意されておりこちらも話の内容と連動している高クオリティに仕上がっています。
どの楽曲もいいできなので、こちらは個別に聞いても満足できるものだと思います。
どうしてこうなった
原作はとても面白いと思った「テラフォーマーズ」。
ならばそのアニメ化もと思い、視聴を始めた「テラフォーマーズ リベンジ」でしたが、少し残念な結果となってしまいました。
ぶっちゃけて言えば1話を見た時点でそのヤバさはなんとなく伝わると思います(笑)
このリベンジは2016年4月から放映されており、同じく4月には実写映画も公開。
原作コミックスも2016年3月、4月と連続刊行を行っており、間違いなくこの2016年4月にはかなり力を注いていたのだと思います。
しかしアニメ、映画共にイマイチのデキ。
http://www.banka-enjoy.jp/entry/2016/05/01/070000www.banka-enjoy.jp
その勢いにブレーキをかける展開となりました。
それでもアニメ、映画共に続編の制作を臭わす終わり方をしているのでさらなるリベンジに期待しています。
というか、原作は本当に面白いんでゴキブリに抵抗が無い方は是非見てもらいたい作品です。