マツダ「DJデミオ ディーゼル&ガソリン」に試乗してきた話
さてさて前回の更新からかなり間が空きましたがこのブログは適当更新がウリなので今回も突然の再開となります。しかもがらりと内容を変更してきたぜ。
ということで題名通り、マツダのデミオという自動車に試乗してきた話です。
私は就職するまで実家で暮らしていましたが、そこまで自動車を必要とする地域で暮らしていなかった為、免許自体を取得したのが23歳と遅めでした。その後実家の自家用車を乗り回すも、微妙に大きいセダンタイプだった為傷だらけに。
そうこうしているうちに運転するという事がどういう事かわからず、社会人になりました。 そして社会人1年目、会社の寮に入寮します。工場までドア to ドアで1時間程度だったのですが、電車とバスを乗り継ぐというそこそこ不便な立地。
今思うとそこまで大変という訳ではないと思うのですが、社会人1年目の間は肉体労働が決定していたので、この通勤1時間というのがとても辛かったんです。
通勤時間はスムーズで可能な限り短く。これは本当に大事。多少のお金を払う価値ありますよ。
そこで車通勤ですよ。正直勤め先はほとんどの人が車通勤でした。最寄駅からは歩ける距離ではありません。まぁ工業団地なんてそんなもんです。
初めて買った車は中古の軽自動車でした。ダイハツのムーヴカスタムのターボだった気がしますが、詳しい年式等は覚えていません。そこそこ走っていたため込こみで60万円しない程度でしたがまぁ素人でもわかるくらい良くはない車でしたね(笑)
ターボなので燃費もリッター/10km程度でしたし、走行性能も特に加速が弱くお察しでした。まぁ走るだけなら問題ありません。
そんなムーヴも色々あってお亡くなりに。次に買った車が今の愛車。スバルの「R2」です。
反逆しそうな車名ですがこの車を選らんだ理由はただ1つ。外見が可愛かったからです。本当にそれだけ。
私はこの時点でそこそこの距離を運転しており、ある1つの事に気がつきます。
「あれ、俺って結構運転が好きかも。」
だがしかし、車自体にあまり興味がなかったんですね。なので走行性能等は考慮せず、外観だけで選びました。
こんな感じでまるっこくてカワイイ!外観以外何も考えずに買いましたが、一番下のグレードにも関わらず、軽自動車というのはありますが、中々しっかりした走りを見せてくれる車でした。
燃費も良く、真夏でも真冬でも実燃費がリッター/15kmを下回った事はありません。可愛いやつです。
2010年に販売を中止してしまったR2ですが私はその販売終了間際のモデルを中古で買いました。外観以外のスペックは見ていませんでしたが、走行距離は5000km程度と少なく、今現在まで元気に走ってくれています。
主な用途は通勤なのですが、そこそこの距離を走っているため、またプライベートでもそこそこ使用しているため、1年間の走行距離は10000km以上、現在85000kmを超えてきているため、そろそろ次の車も考えなきゃなぁ、という状況に。
2017年の2月が車検なのでこれを通して次は買換えかな、という考えでした。
すると基本的に運転が好きなのもあって車を色々と調べ始めたんです。ズバリ狙いはコンパクトカー。維持費は上がりますが結婚もしたし安全性を考えて普通自動車を検討。
後はそこまで大きい必要は今のところ無いだろうという判断です。主目的は通勤ですからね。 さらに燃費価格等を考えると日本車。
そんな判断基準で色々調べていったのでした。
日本のコンパクトカー
さて日本といえば車大国。特に「トヨタ自動車」はグループ累計の販売台数が世界一。これって普通に凄いと思うんですよね。
私は「車の運転が好き」という状態ですが現時点で車メーカーの好き嫌いはありません。なのでなんとなくトヨタいいんじゃないか、という考えが最初はありました。なんせ世界一です。
純粋なデザインの好みでいえば外車なんかかっこいいと思います。
ルノーのルーテシアとか好みです。
あらかっこいい。
しかし日本車と比べると燃費もイマイチでハイオクガソリン。ドアの枚数も3枚と使い勝手がいいとはいえません。もちろん全てを満たすパーフェクトな車など無い事は解っていますが、お値段も同クラスの日本のコンパクトカーと比較すると割高です。
未だに車の善し悪し、が何かというのがわかるようになった訳ではありませんが、カタログスペックを見るだけでも解る事もあります。
大きな車は好きでは無く、今は必要性を感じません。値段も上がりますし、燃費も悪化します。はやりのSUVもお高いですし、なによりあのデザインが個人的には好みではない
もうコンパクトカーしかねぇなぁ、という感じです。
つらつらと候補と現時点での評価等を書いてみましょうかね。
まずはトヨタから。検討候補はヴィッツとアクア。王道すぎる程王道。
ヴィッツの現行モデルは3代目。2017年1月12日にマイナーチェンジを行い、ハイブリッドモデルを追加しました。もっともスタンダードと呼んでも良いコンパクトカーの代表格で、今年レンタカーで運転する機会に恵まれましたが、もちろん軽自動車のR2よりも乗り心地は良かったです。
アクアは日本で一番売れている自動車ですね。街中でも本当に頻繁に見かけます。現行のプリウスに抜かれましたがカタログ燃費は驚異のリッター/37kmを誇ります。
さてこの2台、乗った訳ではないので乗り心地はわかりませんが、私はヴィッツの方が評価は上です。というのも、まさに絶頂期にあるハイブリッド車ですが、ガソリン車と比べると本体価格が高いです。 これは走行を補助するモーターを積んでいるためであり、システムがプラスオンされているので当たり前といえます。
ちょうどハイブリッドモデルが追加されたヴィッツで見てみますと、ハイブリッドのFグレードは1819800円から、ガソリンモデルのFグレードは排気量1Lモデルで1325160円、1.3Lモデルで1481760円と1.3Lモデルで比較しても30万円以上の差があります。
ハイブリッドモデルの燃費はリッター/34.4km、ガソリンモデルの燃費は最良でリッター/25km。大きく差があるように見えますが実際の燃費はこれよりもだいぶ下がるのでその差もより小さくなるでしょう。
カタログ燃費のまま10000km走るとして必要なガソリンはハイブリッドモデルで約290L、ガソリンモデルで400L、ガソリンを1km150円とするとハイブリッドで43500円、ガソリンで60000円、その差16500円です。
車の走行年数の1つの目安となる10万km走ってもまだまだ回収できません。しかしハイブリッド車はガソリン車よりも税金の面で優遇されているのでもう少し差が少なくなる事が予想されますが、ハイブリッド車はハイブリッドシステムにモーターを使用しているため、こちらの交換費用というのも考えておかねばならなくなります。
よって単純に金額だけ見るとガソリン車がお得になるケースが多いようです。しかしハイブリッド車はモーターが動力性能の補助を兼ねているため、ガソリン車よりも走りにプラスの影響を与えている事が多いそうです。
なので一概に金額だけで判断はできませんが基本ハイブリッド車は選考外ですね。特に日本一売れている自動車アクアは高いっす。ベースグレードにまぁ必要だろう、という装備を加えるだけで軽く250万円を超えてくる事が予想できます。
最高グレードにGSというグレードがあるのですが、外観はドストライクです。しかしたけぇ。アクアもデザインは結構好きですよ。
ヴィッツもハイブリッドは無いとなると、ガソリングレードが視野に入ってきます。走りも燃費もそつないザ・コンパクトカー。ちなみにデザインも結構好きです。王者トヨタの貫録を感じます。
安全装備もトヨタの衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」を搭載。一定以上の安全性が期待できます。
お次はホンダ。ホンダのコンパクトカーといえばそう、フィットです。現行モデルは3代目でこちらもヴィッツと同様にハイブリッド車とガソリン車を取り揃えており、各社と熾烈な売り上げ争いを繰り広げています。
先に書いた理由でハイブリッド車を避けると、残るはガソリン車。こちらの評判は上々で、特に後部座席の広さはライバルとなる各社のコンパクトカーよりも頭1つ抜けて広いとの事。直接見てはいないのですがヴィッツとアクアよりは確実に広いみたいです。
走りも評判を見る限りはそつないようで十分選択肢になりうるフィットですが、この3代目フィット2015年までに計5回のリコールを発表しており、品質面で懸念が残る形になっています。
知り合いの車好きも「ホンダの品質は…」と苦言を申しておりました。しかし安全装備も「City-Brake Active system」を搭載しておりライバル車に引けを取るものではありません。十分候補に入ります。
お次は日産のノートでしょうかね。こちらは現行で2代目ですが登場して時間がたっていることもあり少々安全装備等で後れを取っています。が、後部座席も広めでバランスの良いコンパクトカーといえるようです。
去年の11月にシリーズ式はハイブリッドシステムを搭載した「e-POWER」モデルが登場。トヨタのアクアに迫る燃費と、モーターによる加速が魅力の良い車のようです。売り上げも好調とか。
しかしやっぱりそこそこのお値段。しかもノートの外見はイマイチピンときません。そこでデミオですよ、デミオ。
マツダのコンパクトカー
マツダが誇るコンパクトカー、デミオ。上記の3社と比べると小さい会社ですが、現行モデルの4代目が登場した2014年に「2014-15日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しています。
特徴としてはマツダのデザインテーマである「魂動-Sole of Motion-」をコンパクトカーに合わせて再構築した美麗なデザイン。そしてこのクラスでは類を見ないディーゼルエンジンを搭載しているモデルが存在しているという事です。
このディーゼルモデルが大変評判が良いとの事で興味を持ちました。同時にガソリンモデルも販売しておりそちらも好評のようです。
ディーゼルとは軽油の事で、軽油を燃料として走る自動車という事になります。軽油は通所のガソリンより20~30円安く経済的です。しかしディーゼルエンジンならではの問題もあり、音がうるさいだの、軽油の臭いがするなど、ガソリンエンジンとの差も心配されたようです。
しかしマツダのディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」は従来のディーゼルエンジンの弱点を克服したエンジンである、との事でした。
さらにディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりもトルクという車のパワー、力強さを示す値が高く、デミオのディーゼルエンジンはガソリンエンジンの2倍近いトルク値という事で、国産のコンパクトカーでは類を見ない力強さという事になります。
ディーゼルモデルはガソリンモデルより値段が高く、フィットやヴィッツのガソリン車とハイブリッド車のような関係でした。燃費も若干ディーゼルの方が良いですが、軽油という事を差し引いてもガソリン車との価格差をひっくり返すのは難しいようです。
もう1つのデミオの特徴としては内装のかっこよさ、でした。コンパクトカーというのはけっして高級な車、というわけではありまえん。それこそ上を見ればきりがいないです。
そんな中コンパクトカーというクラスの中でデミオの内装は抜群にカッコいいんですね。さらに価格の割に装備も充実しています。
さて良いところばかり書きましたがもちろん欠点も。それはデザイン優先の為、車内の収納の少なさと、後部座席の狭さ、と言われています。これは現在の車の使用目的だとデメリットになり難いと判断しているため、目をつぶろうと思っています。あくまで現時点で、ですが。
なんとなく次の車ということでまだまだ先の話なのですが、たまたま知り合いがマツダのディーラーと懇意であるという事で、興味があるというと、試乗を手配してくれたのでした。
そんな感じで2016年11月にマイナーチェンジが行われた最新の「デミオXD Touring L Package(ディーゼル最上位グレード)」と「デミオ13S Touring(ガソリンモデル中間グレード)」に試乗してきました。
ディーラーへ
スバルのR2でマツダのディーラーへ。妻と紹介してくれた友人も一緒です。早速デミオという車について説明を受けます。ほとんどが調査済なのですが2016年11月の改良で加わった新システム「G-Vectoring Control」について説明を受けました。
これはドライバーのハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを綿密に変化させて横方向と前後方向に加速度をコントロールする技術、ということで、そんなに理解できませんでしたが、ドライバーのハンドル操作の負担を軽減するシステムのようです。
一通り説明を受けて早速試乗。ディーゼルモデルの「デミオXD Touring L Package」から。エンジンが最初から始動していましたが、ディーゼルエンジン特有の「カラカラ音」というのはほとんど聞こえませんでしたね。後に乗ったガソリンモデルよりも静かに感じました。
早速乗り込むと、本皮のシートと上品な内装が素晴らしい。メーター上に登場する「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」その存在に慣れていないためか良くも悪くも気になりませんでした。
噂のカー・コネクティビティ・システム「MAZDACONNECT(マツダコネクト)」通称マツコネちゃんはタダのナビ、という感じで、今回はその存在感を味わう事ができませんでしたね。
ちなみに運転席私、助手席妻、運転席後部に友人、助手席後部にディーラーマンという豪華4人乗りで試乗に出発です。
ディーラーは中々交通用の多い渋滞する道路に面していたため、一端その道路へ出て、裏道へ。正直R2と車長やタイヤサイズがかなり大きいはずなのですが、普通に走るだけならほとんど違和感を感じませんでした。
するする走る、という感じで、調べていた前評判である「ディーゼルは出だしが重く、力強い加速」、「ガソリンは軽快でレスポンスが良い」という差も、R2からデミオXDという順番で乗った私は感じる事ができませんでした。それはもちろん軽自動車と普通車、という差があったからだとも思います。
しかしXDの加速力はその力強いトルクを発揮し始めるというエンジン回転数1500回転あたりからだと聞いていたため、意識的に踏み込むと、確かにR2では感じる事の無い加速を体験する事ができました。
それは実に不思議な感覚で、R2で感じていた、加速しようと踏み込むとエンジンが頑張って加速しているぜ、という感じが無く、ぬるぬるとどこまでも加速していくように感じました。
このぬるぬる感が実に楽しい。正直試乗コースは短く、速度も60km程度までしか出せませんでしたが、今まで運転してきた自動車とは違う間隔を強く感じました。正直私はXDの乗り味を大変気に入りました。
これは凄い車だ。純粋にそう感じました。
ちなみに友人氏は同じマツダのアテンザワゴンを次買い替える車として狙っているようなのですが、アテンザにもディーゼルとガソリンがあり、友人はガソリンの乗り味の方が好きだそうです。
なので好みが大きいのではないかと思います。試乗してみないとわからないものです。
さてお次はガソリン車に試乗させてもらいました。グレードは13S Touring。内装が若干違います。一番の差はシートでしょうか。本皮から布へ。こちらの座り心地等の差は僅かな試乗では解りませんでしたが、色もシックで質感も本皮とそう変わらないように感じました。
全く同じコースを再度走ることに。エンジンの差の前にホイールサイズがXD Touring L Packageの16インチから15インチへとダウンしています。その差も試乗では感じ取る事ができませんでしたね。回転半径も変わっているはずですが交差点を曲がる程度ではその差はわかりませんでした。
後は意外にガソリンエンジンの方がエンジン音がうるさく感じました。これは以外。ディーゼル特有のカラカラ音も少しは感じましたが、それを含めてもガソリンの方が音はしました。
さて一番大きいエンジンの差ですが、これはかなり違います。前評判の通りガソリンエンジンは軽快で出だしの加速に優れます。さらにガソリンエンジンのみスポーツモードが用意されており、スポーツモードだとさらに出足の早さが軽快に。
しかし止まっている状態からの加速、反応は明らかにガソリンが上だと感じましたが、ディーゼルの重厚で余裕のある出だしが劣るとは感じませんでした。なによりガソリンは踏み込んで、ディーゼルのぬるぬるした加速を感じ始める辺り、時速50kmをオーバーした辺りから、頑張って加速している感を感じ始めました。
私が愛車のR2でいつも感じている、エンジン頑張ってますよ、感です。それでもなんら走行に支障があるというわけでは当然ありません。しかしディーゼルでもガソリンでも街乗りには全く困らない走行性能であると思います。なんせ今私が乗っているのは軽自動車ですから。それと比較すればどちらも相当上ですよ、走りは。
さてディーゼルとガソリンに乗ってみた私の感想は、圧倒的にディーゼルが好みです。他のメーカーの車に乗っていないのでわかりませんが、あの頑張ってる感の無いぬるぬるした加速がとても気に入りました。
ガソリンモデルもきびきびとしたレスポンスで、確かに運転にそこまでこだわりの無い方なら全く問題無いと思います。ガソリンモデルならば他社メーカーのコンパクトカーとほぼ同じ価格帯ですし、上質な内装とデザインは強みでしょう。
見積もりももらいましたよ。とりあえず「XD Touring L Package」に11月の改良で加わった、「セーフティパッケージ」と「セーフティクルーズパッケージ」に安心点検プラン、エンジンスターターやETCなど思いつく装備を加えて出た金額は約2680000円。
Oh…
さすがに盛り過ぎですが、ほぼフル装備のデミオはコンパクトカーながら全身レーダーとセンサーの固まり。ハイビームの自動調節やレーダークルーズなども搭載するなど、高級車の風格です。
ちなみに値引きの話もしましたが、個人でもっている決済額としては3万円が限界で、実際の納車日等を詰めて行かないと具体的な金額は出せない、との事でした。このご時世、値引き額だけが独り歩きして広まってしまうとか。
まぁ渋そうではありました。ネット上で調べるとそれなりの金額が報告されていますが、どうなんでしょうか。今回はディーラーを友人より紹介されましたが、実際購入するならディーラーでの競合等も視野に入れる必要があると思います。
次の車の購入はまだまだ先の話なのであくまで試乗、の範囲の話ですが、自分でもディーゼルデミオをこんなに気にいるとは思いませんでした。1年後、2年後の話はわかりませんが、欲しい車の筆頭候補ですわ。
ちなみに乗った試乗車の色は11月の改良で出た新色の色で人気の「ソウルレッドプレミアムメタリック」、「スノーフレイクホワイトパールマイカ」には乗れず。しかし店内にあったアテンザセダンが「ソウルレッドプレミアムメタリック」だったのであのマツダの赤は見る事ができて、妻が気に入ってました。あの赤は眼をひきますね。