万化を楽しむ!

アラサーリーマンが日々思いついた事を書き殴ります。妻も私もオタクな為、オタク関連多めです。

至高のSRPG やらなきゃ損 タクティクスオウガ 感想 総評

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衝撃

1995年に株式会社クエストより発売されたスーパーファミコンシミュレーションRPGゲーム。後にセガサターンプレイステーションに移植されており、Will、WillUのバーチャルコンソールでも配信されているようです。この作品は企画・シナリオを松野泰己氏が担当しており、一般的な知名度はこのゲームよりも氏の方が高いかもしれません。

シリーズとしてはタクティクスオウガで2作目、オウガの名を冠するゲームとして、オウガバトルサーガ全8章構成の7章目として作られました。 架空の世界、国家のある諸島における民族紛争における戦乱を、主人公の少年の視点から描いた物語です。

このゲームも腐れ縁の悪友に紹介されたゲームの内の一つでした。シミュレーションRPG好きの私とは相性は良かったと思いますが、それでもハナタレ小僧だった当時の私にはとにかく衝撃的な作品だった事は確定的に明らか。

ゲーム雑誌ファミ通の「読者が選ぶTop20」のランキングでスーパーファミコン作品で唯一、長年に渡りランクインし続けている事から、「知る人ぞ知る名作」に名が相応しい作品だといっていいでしょう。

全てにおいてハイクオリティ

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私の一番の注目点はストーリーですが、ゲームシステム、グラフィック、隠し要素など全てにおいて突出した出来だったと思っています。

戦闘システムは当時はまだ珍しかったクオータービューのマップを採用し、シュミレーションRPGに「高さ」という概念を与えました。高所からの弓などの遠距離攻撃は従来の射程範囲より遠くまで届くといたシステムを採用した初めての作品だと思います。

また「ウエイトターンシステム」というシステムを採用しており、味方、敵、という従来のSRPGにあったターン性ではなく、敵味方平等に時間が流れており、装備の重さや、キャラの素早さ等を加味した、総合的な行動の早さで「ウエイト」の値が決まり、これが時間の経過とともに減少し、0になった時点で行動できる、というシステムです。

このウエイトは移動、攻撃をひかえるとさらに減少するため、戦闘中常に変わり続ける行動順に注意して戦略を組み立てていかなければならなくなります。またこのウエイト値は装備品によって大きな影響を受けますので、装備を調整して戦略的に動く必要があるMAP等も存在します。

キャラクターグラフィックも秀逸で、画質的には現在と比べ物にはなりませんが、ドットキャラとは思えないほどのアクションや表情は見ていて飽きないものです。

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キャラメイキングも作り込んでおり、終盤になればなるほど専門職が強くなっていきます。中途半端な育成はNGで、肉弾戦職は肉弾戦職の、魔法職は魔法職の必要性があります。 システム的な抜け穴はあるのですが、難易度も全体的に高めで、戦闘中に死んでしまったキャラはそのMAPでの戦闘中に蘇生しないとロストしてしまう等、歯ごたえのある難易度になっています。

他を全て捨てて、主人公を素早さのみに特化させてMAXレベルまで上げると、他のキャラが一回行動する間に十回行動できるようになるなど、その辺りのやり込みも含めて猿のようにやり込みました。

またエクストラダンジョンとして、ノーセーブで地下100階までを踏破する隠しダンジョン「死者の宮殿」も完備。ゲームクリアには影響はないものの、ゲームバランスを崩壊させるような規格外の強さの装備や魔法が手に入るなど、総合的なゲームのクオリティは現在のゲームと遜色ないでしょう。

僕にその手を汚せというのか

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このゲームの最大の魅力はそのストーリーであると私は思っています。敵は悪の魔王ではない、同じ人間。民族紛争と内乱を中心とした紛争として描かれます。

プレーヤーはこの民族紛争の少数民族の少年デニム=パウエルとなって物語に関わっていくこととなります。物語スタートから最初は判り易く功績を上げ「ゴリアテに英雄」などと祭り上げられながら快進撃を続けていきます。

ですがそう上手くはいかないのがタクティクスオウガ。主人公デニムは1章の終りに大きな選択を迫られます。そしてその1章のタイトルが「僕にその手を汚せというのか」。 大きなネタバレは避けようと思いますので明言は避けますが、自らの手を汚してでも理想を成し遂げるのか、別の道を、理想を探して進むのか。

正義の反対は別の正義。そんな言葉が似合うタクティクスオウガは、悪の魔王を倒す勇者の物語しかしらなかった私を少し大人にしてくれたのでした。

基本的に登場キャラクター達にも容赦ない展開が待ち受けており、トラウマ必須の場面も多々あります。

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特に衝撃的だったのがエンディング。マルチエンディングなのですが、隠しエンドを除くと、実質2種類。ベストエンドとノーマルエンドになります。 当時今ほど容易に攻略情報が手に入らなかったので、私の初回プレイはノーマルエンドでした。

とあるキャラの生死が鍵になるのですが、生存させ方が判らず、ざっくり死亡させてしまい、まぁいいか程度のノリでエンディングまでたどり着きました。最後の最後までは無難に進むのですが、衝撃の幕切れ。詳しく話せないが残念ですが、もう何も救いのないエンディングで、もうわけわかめ

ネタばれ無しでその良さを伝えるのは難しいのですが、タクティクスオウガの中でもかなり有名なゲーム中のセリフを一つ書きたいと思います。 ちなみにこれは主人公デニム君が言われます。

「英雄と呼ばれた貴様がなぜ、解放軍に追われているのか、やっとわかったよ。 公爵は貴様のことがきらいなのさ。 貴様のように手を汚さず、きれいごとばかりを語り、美味しいところだけを盗む … 。 汚い仕事は他人まかせで、理想や正義をちらつかせる … 。 それが貴様だ。

いずれ民衆は、公爵を見限り、貴様を支持するようになるだろう。 公爵より 『 汚れていない 』 からな。 しかし、それもつかの間だ。 どうせ、貴様もそのうちに 『 汚れる 』 さ」

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う~ん、どうでしょう、この切れ味の鋭さ。なんでこんなん言われなきゃならんのだ、という感じ。

後はこれもネタばれなのですが作中に登場する二人の騎士の会話を、長いです。

ここから

A<ふむ・・・。生きているのが不思議なほどだな・・・。下がれ!

A<聞こえるか?ゼノビアの聖騎士よ。

B<・・・貴公らが敗れるのも時間の問題だな。

A<我がローディスにとってヴァレリアの覇権など些細な問題にすぎん。 それを知らぬわけではあるまい?

B<・・・・・・・・・。

B<・・・日増しに高まる民衆の不満を抑えきれないようだな・・・?

A<所詮、バクラム人は我々とは違い劣等民族だからな。彼らには少々荷が重すぎたということだ。

B<力で人を縛り付ける、そうしたローディスのやり方に問題がある、・・・そうは思わないのか?

A<縛り付けた覚えなどないな。彼らは力で支配されることを望んだのだ。

B<望んだだと?

A< そうだ。・・・世の中を見渡してみろ。どれだけの人間が自分だけの判断で物事を成し遂げるというのだ?自らの手を汚し、リスクを背負い、そして自分の足だけで歩いていく・・・。 そんな奴がどれだけこの世の中にいるというのだ?

B<・・・・・・・・・。

A<・・・貴公らの革命を思い出してみよ。貴公らが血を流し、命を懸けて守った民はどうだ? 自分の身を安全な場所におきながら勝手なことばかり言っていたのではないのか?

B<彼らは自分の生活を維持するだけで精一杯だったのだ・・・。

A<いや、違う。被害者でいるほうが楽なのだ。弱者だから不平を言うのではない。 不満をこぼしたいからこそ弱者の立場に身を置くのだ。彼らは望んで『弱者』になるのだよ。

B<ばかな・・・。人には自分の人生を決定する権利がある。自由があるのだ!

A<わからぬか!本当の自由とは誰かに与えてもらうものではない。 自分で勝ち取るものだ。しかし民は自分以外にそれを求める。 自分では何もしないくせに権利だけは主張する。 救世主の登場を今か、今かと待っているくせに、自分がその救世主になろうとはしない。 それが民だっ!

B<人はそこまで怠惰な動物じゃない。ただ、我々ほど強くないだけだ。

A<・・・聖騎士よ、貴公は純粋すぎる。民に自分の夢を求めてはならない。支配者は与えるだけでよい。

B<何を与えるというのだ?

A<支配されるという特権をだっ!

B<ばかなことを!

A<人は生まれながらにして深い業を背負った生き物だ。 幸せという快楽の為に他人を平気で犠牲にする・・・。 より楽な生活を望み、そのためなら人を殺すことだっていとわない。 しかし、そうした者でも罪悪感を感じることはできる。彼らは思う・・・、これは自分のせいじゃない。 世の中のせいだ、と。 ならば、我々が乱れた世を正そうではないか。秩序ある世界にしてやろう。 快楽をむさぼることしかできぬ愚民にはふさわしい役目を与えてやろう。 すべては我々が管理するのだ!

B<意にそぐわぬものを虐げることが管理なのか!

A<虐げているのではない。 我々は病におかされたこの世界からその病因を取り除こうとしているにすぎん。 他組織に影響を及ぼす前に悪質なガン細胞は排除されねばならぬのだ!

B<身体に自浄作用が備わっているように心にもそれを正そうという働きはある!

A<それを待つというのか?ふふふ・・・貴公は人という動物を信用しすぎている。 民はより力のある方へ、より安全なほうへ身を寄せるものだ。

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ここまで。

誰がどう言った、という所まで省いているので判りにくいでしょうが、雰囲気を感じ取っていただけるだけで十分かと。 こんなノリで話が進んでいきます。

プレイして!

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重厚なストーリーを楽しむのもよし。デニム君と一緒に戦争という理不尽に巻き込まれ、共に苦しめば、新しい何かが開けるやもしれません。

育成を楽しむのもよし。少々間マニアックですが、ステータス上昇の仕組みをつかめば、一人で無双可能な俺ツエーキャラを作成することも十分に可能です。

さらにこの作品、PSPでリメイク版も出ています。その評価はまちまちなので可能ならバーチャルコンソールでオリジナル版をプレイしてもらいたいところです。

私の稚拙な文章力で全てを語るのは難しいですが少しでも興味をもってもらえたら幸いです。

タクティクスオウガより知名度の高いと思われる松野泰己氏が手掛けた同系統のゲームに、ファイナルファンタジータクティクス、があります。こちらの方が知っているという方もおおいのではないでしょうか?

よくタクティクスオウガが面白いという話をすると、「ああ、ファイナルファンタジータクティクスのぱくりね」などと言われる事がありました。

同じ松野氏の作品でありますが、オウガの方が先のゲームであるため、このやり取りの度に、大変憤慨しておりました(笑) FFTも名作だと思いますが、イマイチオウガの方が知られていない、そんな隠れた不屈の名作、機会があれば触れてみてください。

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