万化を楽しむ!

アラサーリーマンが日々思いついた事を書き殴ります。妻も私もオタクな為、オタク関連多めです。

男が読んでも面白かった押しアイドル漫画「そのアイドル吸血鬼につき」七都サマコ【感想】

「アイドル」って単語、あなたにとってどのような意味をもっていますか。いわゆるリアルなアイドルって、個人的にはまったく興味ないんですね。

昔から芸能人に全然興味が持てなかったし、いまでも興味はほぼ無いです。というかTVに映っているような方々ってもう私的に3次元という認識なんですよ。TVに映っている人たち=自分には縁のない人たちという感じで、もう漫画の中に出てくるようなオタク空間の3次元キャラと同列扱い。

なので女性芸能人もいわゆるアイドルも全くといっていいほど興味の対象外でした。「モーニング娘。」とかそれなりにアイドルブームもあったんですけどね。

そんな感じで生きてきた訳ですが、私にアイドルに少なからず興味を向けさせるきっかけとなった作品があります。その作品との出会いは、毎週水曜日に読んでいたとある週刊少年誌に連載していた作品でした。

漫画雑誌って、立ち読みでも、購入でもいいのですが、全部読みますか?その週刊漫画雑誌は立ち読みだったので全部読まず、お目当ての漫画のみでした。お目当て以外もたまに読んでみたり、パラパラめくってみたりするもんですが、ほとんどが途中から読むことになったりして、レギュラー入りすることはめったにないかと思います。

しかしそいつはパラパラ読みから「なんか面白いぞ」、となって立ち読みレギュラー入りし、コミックス購入にまで至った個人的に稀有な漫画でした。そのころから今まで定期的に立ち読みしている雑誌は2つで、漫画購入に対する情熱もそこまでではありません。

その漫画は週刊少年マガジンで連載していた「AKB49 恋愛禁止条例」。wikiから抜粋すると

講談社週刊少年マガジン』2010年第39号より2016年第8号まで連載。男性である主人公「浦山実」が「浦川みのり」として『AKB48』に入り、そこで研究生から正式メンバーを目指すという内容。

簡単に説明すると、男が女装してAKB48に入ってアイドルとして活動をする、という漫画です。

こんなん面白いわけないやろ、そもそもアイドルとか興味ね~し。と思っていましたが、パラパラと毎週目にしているうちにマガジンで読み始めるようになり、気がつくとコミックスが家にある、という状態でした。その面白さは衰えず、中盤あたりから買い始めたのですが、終わるまでキッチリと楽しめました。

そんな49、実際のAKBのメンバーが実名で登場します。しかもある程度AKBが認知度と人気を得た状態から、主人公は研修生、一番下っ端からのスタート。つまりは成り上がり&下剋上の物語なのです。

それがまた熱い。努力と根性。つまりスポ根。いや、アイドルだからドル根? アイドルという煌びやかな世界の裏。圧倒的実力者のAKB上位陣たちに挑む主人公(男)の汗と努力に私はまんまと魅せられたのでした。

この漫画と出会ってちょっとAKBに興味をもつようになりましたよ。

そして今回紹介するのもアイドル漫画。妻が買ってきた漫画なのです。

これがこいつだ!「そのアイドル吸血鬼につき」。

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アイドル漫画という選択肢

私たちはオタク夫婦で、お互い漫画をそれなりに買います。だけれど好きな漫画の思考は多分あんまり合ってないと思ってます。 性別の違いもあるかと思いますが、私は暑苦しい漫画とスポーツ系が好き。妻はなんか独特の基準があるみたいですがよくわからない(笑)

なので妻が買ってくる漫画はとりあえず読みますが、最後まで読み切れない漫画も結構あるんですよね。しかし今回は存外に面白かったんです。

主人公に好感が持てたし、AKB49に通ずるような熱さも感じました。

最近観たアイドルものの映画「KING OF PRISM -PRIDE the HERO-」も凄く面白かったんで、もしかしたらアイドルものが好きなのかもしれないなぁ(笑)

http://www.banka-enjoy.jp/entry/2017/06/12/230851www.banka-enjoy.jp

さてどんなお話かというと公式サイトより引用してみましょう。

アイドルオタクの高校生・湊は、アイドル“ココ”のファン。だが、ココの突然のアイドル卒業発表に抜け殻のような日々を送っていた。そんなある日、偶然ココと出会うが、彼女はなんと×××で――!? ドルオタ男子がアイドルを目指す青春コメディ、開幕!

彼女はなんと×××の×には当然吸血鬼、が入るのですが、主人公の朝陽湊16歳はアイドルの白日目ココ、通商ココりんに日常の全てを費やす高校生。

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その日も全力で彼女のライブに参加していたが、突然のアイドル卒業宣言に呆然。

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彼女の存在に後ろ髪を惹かれつつも、アイドルを卒業してもステージ上で見せていたような笑顔でいてくれるのならと、ふっ切ろうとする朝陽。なんていい奴なんだ。

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そんなオフ会の帰り道に、通りかかった公園で偶然にも涙を流しながら佇むココりんと出会う。ステージの上とは違うココりんの様子に戸惑うも、かかわるなと冷たく突き放すココりん。

しかし朝陽は自分がいかにココりんのファンであるかをアピールし、ライブをするのが夢だったグランドアリーナを見ながら涙するなんて、アイドルをあきらめていない証拠だ、そんなんじゃファンを卒業できない、と食い下がる。

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すると「諦めたくて諦めたわけじゃない」と涙を流すココりん。こんな体でなければと、崩れ落ちる。快方する朝陽だったが、ココりんの取った行動は朝陽の首筋に歯を突き付け、その血をすすることだった。

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充血した目に、朝陽の血で赤く濡れた牙。その様子はまるで吸血鬼。あわててその場を立ち去るココりん。はって追いかける朝陽。次に目を覚ました時、朝陽がいたのはイケメン達に囲まれた、アイドルオーディションの会場内だった…

いきなりアイドルオーディション、の前に導入部分ですが、オーソドックスながら丁寧でしっかりと引き込まれる魅力がありました。特に主人公の朝陽湊、彼がイイ。

日々バイトに励み、その資金の全てをココりんのためにつぎ込むというファンの鏡のような存在ながら、彼女が卒業を発表すると、夢であったグランドアリーナでのライブを語る時のような笑顔を、アイドルをやめた後でも、みせてくれているなら、と常にココりんを思う愛をびしばし感じます。

これがファンか!理解はできないけど、好感が持てるぜ。

舞台は変わってなぜかアイドルオーディション会場で目覚める。戸惑う朝陽だったが、そのアイドルオーディションの最終審査員とプロデュースを務めるのがココりんだと知り、もう一度ココりんに会うために参加を決意する。

そして「そのアイドル吸血鬼につき」の面白さはここから加速するッ。

まずは審査員のマスコット社員たち。

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曲がったことが嫌いで正規ルート以外でオーディションに参加した朝陽が気に入らないという営業部長獅子堂。ダンス講師のティナ。歌唱指導のフィン。広報の鳥明木。濃い、濃すぎる(笑)

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タレントの魅力を邪魔しないようにあえてこのスタイルなんだとのたまいますが、それにしても狙いすぎ(笑) キャラ分担もしっかりとしていて、それぞれの切り口でオーディション内容をきちんと分析しているのが面白かったです。

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そしてそのオーディションでは圧倒的存在感を放つ、明らかにモブとは違う、レギュラー感を漂わせる3名が。

圧倒的顔面偏差値と歌唱力の美少年アオ。

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高身長とスタイルの良さ、笑顔が魅力のキダ。

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小悪魔な魅力と多彩な演技力のハギノ。

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この3人を短いページで的確に解説するマスコット審査員たちがまた面白い(笑)

そして訪れる朝陽の出番。しかし直前の参加となった朝陽は事前に通知されている課題曲についてしらさせれていなかった。そんな朝陽が取った行動とは、

課題曲ではなく、ココりんの「抱きしめてアプリコット」を歌わせてくれ、という一か八かの賭けだった。

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「抱きしめてアプリコット」、通称「だきアプ」。初恋の甘酸っぱさをアプリコットに例えた胸にグッとくる歌詞に合わせ、女子のかわいいをふんだんに詰め込んだ結果超絶ブリブリな楽曲に仕上がった白日目ココ衝撃のデビューシングル。

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「そんなブリブリ女子アイドルソングを男性アイドルオーディションで披露するというのか…?こいつ正気か!?」byマスコット社員(笑)

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「大丈夫、アイドルがどんな存在か俺はちゃんとわかってる。それを見せればいいだけだ!」by朝陽。

衝撃の朝陽版「抱きしめてアプリコット」このコミックス最大の見せ場。ぜひ購入して読んでもらいたいところ。

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「でも…コピーだけじゃない…その奥に好きで好きで仕方がないって気持ちが…見える」、「この男も逸材か…!」byマスコット社員(笑)

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解説が的確ゥ!このマスコット社員達、タダモノではないッ。

オーディションを無事通過する朝陽。しかし彼はココりんに血を吸われたことによって吸血鬼になってしまった。割とお約束の展開だけれど、突然の吸血衝動を抑えきれず、アオの血を吸ってしまう。

皮肉にもその吸血行為を止めるために割って入ったココりんと待望の再開を果たす。そして朝陽はココりんがアイドルをやめた理由を知ることに。

ココりんに会うためにオーディションに参加していた朝陽。その目的を果たし、オーディション後に今後について話し合おうとその場を立ち去るココりん。その後ろ姿に朝陽は問いかける。

「…このオーディションはココりんが本当にやりたいこと?」

「おかしな質問だな…仕事だ。」 f:id:LuckyWhale:20170701191416j:plain

朝陽は決意を胸に最終オーディションに臨む。

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そして最終オーディションで朝陽の取った自己アピールは「自分がいかにココりんのファンであるかをアピールする」ことだった。その熱量をぶつける朝陽。

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その中でココりんを好きになったきっかけはデビュー前の街頭ミニライブを偶然見かけ、「アイドルとしてグランドアリーナに立つ」という夢を、まっすぐに言い切ったから。

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「あの日からココりんの夢は俺の夢だったんだ。そんな大事なものを諦めて捨ててしまったらダメだ。」

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「…でも私はもう自分が怖くて許せなくて、足が震えてステージにも立てないんだ…」

「だったらココりんの夢は俺が叶える。俺がアイドルになってグランドアリーナに立つ。俺がココりんの夢になる!」

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アツイ!熱いよ!てかすでに告白だよ。この熱量。この真っすぐさ。実に好感がもてる主人公だぜ。

久々に良い漫画に出会いましたね。続きがすげー楽しみです。

なぜか縁あるアイドル作品

社会人になってからめっきり低下したオタク力。作品を網羅する気力が低下して、より自分の好みに近い作品に絞ってきました。しかしリアルではアイドルとか全く興味ないのに、「AKB49」、「KING OF PRISM 」そして「そのアイドル吸血鬼につき」とアイドルモノが刺さるんですよね。

というかスポコン的なアツイ作品が好きなんです。そしてどうやらアイドルはスポコンと相性が良いようです(笑) 表現したいことがしっかりとした熱量を持って伝わってきた漫画でした。

妻よ、素敵な漫画を買ってきてくれてありがとう。次の巻も頼むぜ。

あと1話目が無料で読めるっぽいのでまずはそちらを読んでみてはいかがでしょうか。

comic.pixiv.net

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