会社の後輩と妻と行ったキンプリ応援上映が最高だった件
劇場版「KING OF PRISM by PrettyRhythm」トレーラー(本編ver.)
※ネタバレ大いにあります。
まずは妻が見に行った
私はオタクである。
このオタクという言葉の定義には様々な解釈があるが、まぁ自己分析の結果オタクであると思っている。
そして妻もオタクである。
夫婦でオタクな訳だが妻は私からすれば遥か上位のオタク的存在だと思っている。
私はあまりオタク業界にお金を落とさない不忠義者であるが、妻は若かりし頃、それなりに業界にお金を落としてきたそうで。
それはどうでもよい話だが、活発にオタク活動を行ってきた妻は、オタク的に落ち着いた現在も持ち前の豊富なオタクネットワークを駆使して、最新のオタク情報の収集にも余念がないようである。
そんな妻が現在口コミで広がり、次々と上映館が増えているという話題のアニメ映画「KING OF PRISM by PrettyRhythm」通称キンプリを見に行ったらしい。
今現在も口コミでその勢いが広がっているらしく、次々と追加上映が決定しているとの事だ。
妻は新宿のバルド9で早朝からの「普通の」上映を見たらしい。
曰く、本当に意味が判らなかった。ここは笑う所なのか、真面目にやっているのかすらわからなかった。とにかく唖然とした。
としきりに話していた。
女児向けアーケードゲーム原作のTVアニメ「プリティーリズム」シリーズのスピンオフ作品との事で、その原作も視聴していなかったので、さらに困惑したのだそうだ。
全く私の守備範囲外である。
熱心に語る妻には悪いが、あまり関心は持てなかった。
妻は同じオタクの友達と見に行ったらしいが、その友達はその後この作品にドはまりして、何度も上映に参加しているとの事だった。
オタ充は会社にも
「KING OF PRISM by PrettyRhythm」特報
さて私の勤め先は製造業の工場で、研究開発の部署も併設しているため、理系の人が多く働いている。ゆえにオタク比率も高い。
また工場の現場は女性が多かったりするのだが、力仕事も多いので男性の結構な人数が働いている。
自分は管理系の部署で働いているのだが、検査の為現場に立ち入ることも多いので、現場に知り合いも多く、よく現場の人ともオタク的な話に花を咲かせたりする。
その中で仲良くしている現場のオタク仲間が「キンプリ」の原作である「プリティーリズム」シリーズ及び、その続編である「プリパラ」シリーズをとても押していた事を思い出した。
彼をH氏としよう。
結婚後一度家に招いた事もあり、妻とも面識がある。オタク達はすぐに仲良くなれるのである。
そんな流れで、私が現場でH氏に遭遇した際に、妻が「キンプリ」を見に行ったという話しをした。キンプリ知ってる?と聞いてみた。
すると彼は今さら何を言っているんだという顔をして
「俺毎週イベント追っかけてますよ。」
「俺が男性キャラ相手に黄色い声をあげるなんで、今後この作品以外には無いでしょうね。」
とドヤ顔で言い放ったのであった。かれはプリズムエリートだったのだ。
原作は幼女先輩向け
キンプリの原作となる「プリティーリズム」シリーズは、新しい競技「プリズムショー」をめぐり、「プリズムスタァ」を目指す女の子たちの物語らしい。
『プリティーリズム・オーロラドリーム』、『プリティーリズム・ディアマイフューチャー』、『プリティーリズム・レインボーライブ』と3年にわたり放送されており、同時にアーケードゲームとして女児に向けて制作されてきた作品である。
しかしキンプリはメインキャラクターは全員男子。
舞台設定は「プリズムショー」をめぐる物語であり、『レインボーライブ』のキャラクターは登場するものの、ほとんどのキャラは新規キャラらしい。
そしてなによりターゲット層が、どうやら女児ではなく、大人の視聴者を明らかに狙っている。
この作品は明らかに大人女子を狙っており、妻は否定するが腐女子層がメインで狙われているだろう。
上記の情報から私は男性のアイドルユニットが「プリズムショー」という競技をしながらキャッキャウフフする作品で、前記のH氏が興味を持つような作品では無いと思っていた。
しかし彼はドはまりしたという。
「初めて見た時まじやばいと思いましたよ。」
「もう10回以上見に行っています。」
「そして5枚つづりの前売り券が全部余っているので、先輩も見に行きませんか?」
え?私?
家に帰って妻に話すと、すこぶる感心し、予定が合えば私ももう一度行きたいと言った。
そして予定を擦り合わせた結果、私、妻、後輩という布陣で都内某所の映画館で上映される「応援上映」を視聴しに行く事になったのであった。
事前準備が大切
声援OK!コスプレOK!アフレコOK!劇場版「KING OF PRISM」プリズムスタァ応援上映PV
応援上映とは
コスプレOK!声援OK!アフレコOK! お客様みなさんで一緒に盛り上がるイベント上映です! この上映回に限り、コールや応援など、本当のライブをご覧いただいているかのように盛り上がっていただいて構いません! また「KING OF PRISM by PrettyRhythm」ではキャラクターのセリフが字幕で表示されるシーンがございます。 字幕シーンについてはキャラクターになりきって生アフレコをしていただくことも可能ですので、 皆さんで「プリズム☆アフレコ」をお楽しみください。
との事で、上映中に声を出したり、ペンライト等を使って光を出してもよい上映の事らしい。
この実態を知らず、とにかく見てみようと何も考えず見に行ってしまうと、純粋に楽しめない可能性がある。
また通称「キンブレ」と呼ばれるペンライトの準備など、楽しむのに予習をしておいた方が良い。
私の様に熟練者に率いられるパターンがもっとも良いと思われる。
普通の映画上映のような形態も勿論存在するので、まずは、という方はこちらが無難だろう。
しかし大声を出せないので、その点注意が必要である。
H氏はキンブレを三本所持しているとの事で、私と妻の分も貸し出してくれた。合わせてチケットの予約も行ってくれた。彼には感謝しかない。
客層は大人
「KING OF PRISM by PrettyRhythm」15秒CM
上映館には約20分前に着いた。
溢れんばかりの人。明らかにキンプリ目当てであろう客層がたむろしている。
夜の回だった事もあるが客層はほぼ社会人以上だったと思う。登場キャラが殆ど男子であるにも関わらず、男性も多い。
主にカップルで見に来ている様だったが、1人で参加している人もちらほら見かけた。
スクリーンに入るまで少し待ったのだが、その際に隣にいた単独男性の方が、私達3人のキンプリトークにとても混ざりたそうにしていた。
後でH氏に伝えると、声をかければ良かったと後悔していた。
いざスクリーンに入って座った席は、ほぼ真ん中の一番見やすい席。H氏ありがとう。
そしてこの時点でペンライトの光に染まる会場。
私達もH氏から借り受け、操作の方法を教わる。あとは自分のテンションと会場の雰囲気に合わせて使いこなせばいいんだ、とアドバイスをいただいた。
なるほどなるほど?
予告からテンションMAX
のっけからペンライトの光が眩しいが、この応援上映も通常の映画上映と同じく、最初に他作品の映画の予告があった。
あの「No more 映画泥棒」とかが流れる奴である。
その時にこの春公開予定らしい「遊戯王」の映画の予告が流れた。
様々なスピンオフ作品を生んで今もなお愛され続ける週刊少年ジャンプ原作の漫画だが、今回は原作漫画のキャラクター達にスポットを当てた話らしい。
その主人公である「遊戯」やライバルキャラである「海馬」がスクリーンに登場するたびに
「遊戯~!!!!!!!!」
「海馬ぁ~!!!!!!!!社長~!!!!!!」
という黄色い声が飛び交う。
予告からこの熱気である。この時点で予習無しで応援上映は厳しいと悟った瞬間だ。
その後の劇場版名探偵コナンでも黄色い声援が飛び交って、いよいよ本編開始となった。
この時点ですでに会場からあふれる一体感。
俺のキンブレはまだ光ってはいなかった。
リアクション、リアクション&リアクション
Pretty Rhythm Rainbow Live - PRISM BOYS - 「BOY MEETS GIRL」 - FULL SONG!
予告が終わった後も、このテンションは終わるまで続く。
この後は制作を手がける エイベックス、タカラトミー 、シンソフィアのそれぞれのロゴが順番に映し出されるのだが
「エイベックス-------!!!!!!」
「タカラトミーアーツ---------!!!!!!!!!」
「シンソフィア--------!!!!!!」
といった感じで、大きな声でそれぞれの名前を叫んで声援を送っていた。
今回は都内ではあるものの、まさにキンプリをけん引する新宿のバルド9ほど強者はいなかったようなのだが、率先して掛け声を出す強者が何人かいたようだ。
その強者達に導かれ場内のテンションは上がる一方である。私の隣のH氏も会場を引っ張る内の1人であるのは言うまでも無い。
こんな感じで逐一画面に映し出されるキャラやその台詞に声援を送っていくのである。
既に作品に対する愛があふれ出ている。
そして始まる本編。
冒頭を冷静に描写すると
「人気絶頂の男性3人組ユニットであるOver The Rainbowのライブであるプリズムショーから始まり、主人公である一条シンがそのプリズムショーを見て、感動し自身もプリズムを目指す」
という意外に王道で普通の展開である。
しかしそのライブの内容がもはやキチガイレベルでおかしい(褒め言葉)。これはやばい。
Over The Rainbowは3人組ユニット。
速水ヒロ、神浜コウジ、仁科カヅキが、というプリズムスタァたちが王子様のような衣装でステージに立っている。
そして始まる3Dで描かれる衝撃的なダンスにポップな曲調の歌。そして、フィギュアスケートのジャンプっぽく素敵なポーズでジャンプを決める。
ステージで歌って踊り、観客を魅了するこのライブがプリズムショーというらしい。
このフィギュアのジャンプを数段凄くしたジャンプが「プリズムジャンプ」といってこれを決めるとスクリーン上にキラキラとした演出が広がり、その凄さをこれでもかと強調してくる。
紆余曲折あってこの場で初めてプリズムショーを見る事になった主人公の一条シンはそのプリズムの輝きに魅了され、プリズムスタァの道を目指していくというお話しなのです。王道ですね。
途中までは普通に踊ってるんですよ。3Dで凄いなぁくらい。
ですがなんか無駄に脱ぐ。シン君は何故か全裸のOver The Rainbowに抱きしめられる。
そして画面が急に変わっておもむろにチャリンコに乗るヒロ、コウジ、カヅキのOver The Rainbowの面々。
?!?!?!?なんで自転車こいでるの?
その3人の後ろには顔の見えない誰かが乗っています。等々に画面の下に字幕が…
これまでも画面に映るそれぞれのリアクションに逐一つっこんでいた会場の皆さんですが、この字幕を叫ぶ叫ぶ。
これが噂のアフレコです!!
開始10分でこの勢い。唖然としていたら立ちこぎで自転車をこぎ始める。そんで最後に2人乗りは危ないからやめようね、的な事をのたまうんです。
なんやねん、これ!
プリズムショーに完全に魅了された一条シン君はこの後世界がキラキラ見えるようになったらしく、プリズム養成学校の名門エーデルローズに入学するのであった…
次々と現れる新キャラ達、しかし出番はあまりない
続いての展開は主人公の一条シン君がエーデルローズに入学し、その仲間たちと出会うというものであった。
様々タイプの美形キャラが登場する。
その登場シーンや台詞に一喜一憂する会場。もはや映画上映では無く、ライブ会場である。
その仲間たちの中に、おせっかい焼きの寮母さん的キャラ(男)がいるのだが、その彼がシン君に嫌いなものはある?と尋ねるシーンがある。
その瞬間、会場には
「(嫌いな食べ物)!!!!」
各人の嫌いな食べ物がこだまする。
そうか、キンプリは参加型のアトラクションだったんだ…
残念ながら今作ではエーデルローズの仲間達は顔見せ程度で出番はあまりない模様である。
そして先輩スタァであるOver The Rainbowに叱咤激励を受けるシン君。
素直で無垢なシン君の反応に私は大変感銘を受けました。
これは最後まで一貫しており、私はシン君押しです。彼いいね!
しかしエーデルローズは過去の名門。
ライバルのシュバルツローズにシェアを奪われており、経営も難航しているらしい。
このエーデルローズとシュバルツローズの代表同士に因縁があるようで、なんかきな臭い雰囲気が漂います。
Over The Rainbowの面々も何か思う所があるようです。
中盤の見せ場、正直頭おかしい
そんなさなかOver The Rainbowの1人、ストリートのカリスマ仁科カヅキ先輩に対して、シュバルツローズからの刺客が現れます。
シュバルツローズのプリスムスタァ養成マシーン(死ぬまでダンスし続けるらしい)を破壊して現れた、筋肉ムキムキ系のイケメン、大和アレクサンダーがストリート系の誇りをかけてダンスバトルを仕掛けてきました。
直前まで後輩の香賀美タイガ君に「最近ヌルイのではないか」と詰め寄られていたので、ストリートのカリスマとしては何か相応しくない言動があったのでしょうか。
このダンスバトルで流れる曲があの「「EZ DO DANCE」です。
協賛がエイベックスだけはある…完全に30代を狙ってますね、この選曲。
何故か半裸の衣装に着替え3Dで描かれるダンスシーンからプリズムジャンプの応酬へと繋がるのですが、ドラゴンと勇者の剣を召喚し攻撃するカヅキ先輩。
それを腹筋ではじき返すアレクサンダー。
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
「おれはダンスバトルを見ていると思ったら、目の前で繰り広げられていたのは超絶異能ガチンコバトルだった…」
な… 何を言っているのか わからねーと思うが
おれも 何をされたのか わからなかった…
もう見て下さいとしか言えないのですが真顔で超絶ダンスバトルを繰り広げる2人。
結局決着はつかず引き分けとなるのでした。
そして物語は終盤へ
その後もなんだかんだあってOver The Rainbowの中心人物神浜コウジさんが脱退しハリウッドへ行く事に。
その解散ライブが行われます。
なんかギリシャっぽい衣装に身を包み、ラストライブを行うOver The Rainbow。
そのライブの最後で「ハリウッド行きの電車に乗って星座になる」んですよね。
な… 何を言っているのか わからねーと思うが以下略。
文字で見ても映像で見てもインパクト抜群のシーンなのですが、この無期限休止を告げるライブシーンは意外と真面目に見てしまいました。
Over The Rainbowの3人の絆を強く感じます。
そして悲しみに暮れるファンの面々。
悲しんでる観客を前にエーデルローズの代表は一条シンに向かってこう言います。
「彼女達を笑顔にしてくれ」
会場は悲しむファン達の鳴き声が響きます。えーん、えーん。
これがもはや映画の音響なのか観客が言っているのか判らないレベル。とにかく会場が一体となって悲しんでいるんです。
そしてそんな我々を笑顔にするためにステージに立つのです。先輩であるコウジの意志と覚悟を継いでステージに立つシン君。
すげぇ、イイ…
その後もシン君の独壇場が続きます。この後の展開はぜひ映画館で見てみて下さい。
続きを匂わせ終了
大円団で終了した解散ライブでしたがエーデルローズの抱えている問題は根本的には解決できていません。
そしてシュヴァルツローズの代表はエーデルローズを必ず潰すと宣言して幕を閉じました。
エンドロールが流れ終わりと共に万雷の拍手で締めくくられたキンプリの応援上映。
次回を匂わせる終わり方でしたが、収益が好調ならば次回作もありだそうです。
正直私の好みかと言われるとそうでもありませんでした。
しかしこの映画がとにかく凄いという事はつながりました。
もはや映画というよりライブです。
私は結局、H氏より借り受けたキンブレを点灯させる事はありませんでした。
それはちょっと恥ずかしかっただけでライブシーンではリズムに合わせてちょこちょこ振っていました。
続編があれば必ず見に行くと思います。
私は主人公である一条シン君がとても好きになりました。彼の純粋で真摯なプリズムショーに対する台詞が刺さりまくりでした。
ネット上では「電子ドラッグ」などと言われているようです。もはや新しいエンターテイメントの形を作り出したといってもいいかもしれません。
映画制作は興行的かなり厳しい予算で作成され、それでも監督をはじめとしたスタッフの愛情によって成立した映画だそうです。
そして情熱がこれでもかというほどに注がれ、作品の完成度がスタッフの熱意に反映されているという凄いアニメでした。
帰り道、晩御飯を食べるため飛び込んだ居酒屋の隣のお客さんもキンプリの同じ回を見た様で、感想などが聞こえてきていました。
私達3人も晩御飯を食べ、作品について語り、帰路につきました。
妻は楽曲も気に入ったらしく、CDを買うと意気込んでいました。
特にED曲の「ドラマチックLOVE」は名曲ですね。 素晴らしいできです。
H氏、素晴らしい休日をありがとう。
とにかく少しでも気になったら見てみてください。1人で行く場合はまずは普通の上映で。
最後に
「キンプリはいいぞ!」
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