スタッフ愛に溢れた良作 アニメ「モブサイコ100」感想
リメイク版のアニメを見た事により、すっかり原作者であるONE先生の虜となってしまった私。
そう間を置かず、小学館のWebコミック配信サイト「裏サンデー」でONE先生が連載している「モブサイコ100」もアニメ化が決定。
2016年7月より放映され、1クールで終了したアニメ「モブサイコ100」の感想を書いてみたいと思います。
1話を見終わって割と直ぐに原作コミックスが全て揃っていましたよ。おお、恐ろしい。 確かワンパンマンの時もこんなノリで大人買いをしてしまった記憶があります。
ワンパンマンでは最強すぎるヒーローの苦悩と矜持を見事に描いていました。
さて、この「モブサイコ100」はどんな作品なのでしょうか。
原作の持ち味を見事に再現
ワンパンマンのアニメ化はリメイク版ということもあり、作画は超絶画力の村田雄介先生でした。 それでもアニメスタッフの素晴らしい努力のせいか、アニメ版でも村田先生の作画を見事に表現しており、安定感のある良作アニメでした。
さすがはボンズ。
しかし「モブサイコ100」はONE先生の直筆漫画。そのONE先生の画力はお世辞にも上手いとはいえないと思います。
1巻の時点での主人公「モブ」こと影山茂夫がこちら。今は絵の上手い方が増えているという事でONE先生より上手くかけるぜ、という方も多いのではないかと思います。
ですがアニメ版ではこのONE先生の独特絵を上手にクールに表現しているんですよね。
アニメ版ではこんな感じに。かなり今風というか上手になっていると思います。
原作も読み進めていくと「ああ、絵の上手さとか漫画に関係ないわ…(個人的感想)」と思う事必死ですが、最初の導入として「絵の上手さ」というのは大事だと思うので、ONE先生の絵が苦手と言う方はアニメ版から入った方が良いのではと思います。
OPもやたらとかっこよくなっており私は大好きでした。モブサイコの世界観を上手く再現していると思います。
Mob Psycho 100 / モブサイコ100 OP - "MOB CHOIR - 99" Full
クール、クール!!
本来の作風はなんだろう、日常ギャグ超能力バトル、とでも言えば良いのか、よくある日常+バトルものです。
こんなにOPのようにキリッとしてはいないのですが、ONE先生の作画と作風をとてもオシャレに表現しているアニメスタッフさん、本当に凄いと思います。
物語
さてこの「モブサイコ100」、主人公「モブ」こと影山茂夫を取り巻く様々な人物や出来事を描く、ある意味日常系ともいえますが、モブ君は超強力な超能力を使用する事ができます。
しかし過去の様々な出来事から、日常を送る上では必要のない力であると考えており、積極的には使いません。 ですがその力のが強すぎるせいか、徐々に超能力関係の荒事に巻き込まれていくという、漫画の主人公の定めを背負っています。
物語が進んでいく上で色々な人と出会い、事件に巻き込まれていく事で、人間的に成長していくモブ。
その見せ方の上手さがONE先生の真骨頂で、ONE作品を読んでいると漫画に絵は関係ないな、と思ってしまいます。
私はどうやら絵にあまりこだわりがないようです。 だから「やる夫スレ」とかが好きなんだと思います。
モブ少年は超能力を生きる上で必要のない力だといいます。
それでも力を使わなければならない状況が彼を追い詰め、過度のストレスが加わり、感情を抑えられなくなると「100%」と呼ばれる状態に突入し、さらに強大な超能力を発揮します。
しかしモブの「超能力は必要ない」という考えと共に、師匠である霊幻新隆(例能力は無い)に「普通の人」の生き方の教えを受けます。
こんな霊幻師匠ですが言ってることはかなりまともで、強大な力を持つモブに対しても随時的確な助言を与えており、1人の大人として接しており、中々に「いい奴」なんです。
そんな個性的過ぎるキャラクターたちの生き生きとした掛け合いや心理描写に凄く面白さを感じます。
原作にも言える事ですがアニメでもその辺りの描写が上手く、制作サイドの作品に対する愛をひしひしと感じる事ができます。
バトルも凄いぞ
作画も良い、アニメ「モブサイコ100」ですが、バトルシーンも素晴らしい出来でした。
モブはその能力ゆえに超能力バトルに巻き込まれる事になります。
そのバトルは原作でも上手く表現されているのですが動くとこれがまた良いんです。
序盤からその良さを見せつけてくれますが、中盤以降激しいバトルが増えると動く動く。
キレたモブの圧倒的な力を拝む事ができます。
進むにつれて敵も強大になっていくのでどんどんド派手になっていきますが、今回のアニメ化は1クールとなっていますので、その先の活躍を見るには「裏サンデー」のサイトか原作漫画を購入する必要があります。
それでも十分2期を感じる空気で終わったラストだけに期待は膨らみます。
のほほんとした空気とバトルのシリアスな空気のギャップもモブサイコの魅力だと思います。
お手本のようなアニメ化
ワンパンマンのアニメ化で飛躍的に知名度を上げたONE先生の「モブサイコ100」ですが、そのアニメもまた原作に負けず劣らずの良作であったと思います。
原作ファンと新規ファンを納得させたであろう驚異のクオリティで仕上げたボンズには称賛しかありません。 最初から最後までアニメスタッフさんの愛を感じた素晴らしいアニメでした。
ONE先生はアニメスタッフに恵まれていますね。
原作のストック的にもまだまだ余裕はありますので、2期の放映を期待してしまいますが、これだけの作品を作ってしまったので次期への期待のハードルは大幅に上がってしまいました(笑)
原作の方は、このあと続々と強敵が現れ、激しいバトルとモブの成長にスポットがあたり、どんどんと面白くなっていきます。
超絶バトルとのほほんとした独特の空気をぜひまたアニメで見てみたいものです。
昨今流行っている「無双系主人公」、「俺ツエー」にあたるモブサイコ100ですが、主人公モブはその力を必要無いものだと言います。
それでも霊幻師匠と出会った事によって少し前向きになれたモブ。
そんなモブの成長も「モブサイコ100」の魅力です。
アニメでも、原作コミックでもとにかく一度この作品に触れていただければきっとその良さを判っていただけるはず!
「漫画は絵だけじゃない。」を地で行くONE先生の「モブサイコ100」でした。